ENGLISH

IMPACT LAB

インパクトラボ

#19 効果的なイベント出展のコツ―ファンドレイジング・コンサルタントへの道

前回は、主催イベントについて解説したが、なかなか自団体での主催が難しい場合には、他団体の主催イベントに出展ブースなどでプログラム提供、コーナーセミナーやプレゼンを含めた取組紹介、寄付付き商品の販売やサンプル提供、などを目的に来場者に対してアピールすることもできる。むしろ、こちらのほうで実績を積み上げていって、既存支援者や新規開拓を進め、その上で主催イベントを行うほうが手馴れていくかと思う。

軸としては前回の「イベント参加を支援に繋げる演出・5つのポイント」と共通するが、その上でさらに良くなるためのコツを解説したい。
参考:♯18 共感性の高い主催イベントのコツ―ファンドレイジング・コンサルタントへの道

イベント参加を支援に繋げる演出・5つのポイント

  1. 参加者の個人情報の獲得
  2. 会場内で「すぐに支援ができる」機会を設置
  3. 会場で顔と顔が見えるコミュニケーション
  4. イベント後のフォローを予め計画する
  5. イベントの報告方法にも一工夫を

まずは本番を想定して準備を

他の団体が主催するイベントにブース出展する機会でも、バタバタと土壇場で準備しただけでは「せっかく出展したのに」という後悔へ繋がってしまう。そのためにはイベント参加者として、なんとなく気になったブースはどうだったかを思い起こしてみるとよい。

うまくブース出展ができている団体では、「来場者視点」でどこへ着目できて、「恐くなく」ブースに近づいて、知りたい情報が「容易に」得られ、「気軽な」感じで話しかけられ、「欲しい」と思える資料やサンプルが用意されている。あなたのブースだけがポツンと存在することはない。他との違いは何か、際立った差異はどこで感じてもらうか。イベントに参加して数多くあるブースを回っていると、なんだか違う「できている」ブースというものがある。そのもとになっているのは何か。

それは相手に対する「思いやりの心」。相手視点に立って、何度も何度もシミュレーションして、接点での対応を想像して、必要なものを用意して、またシミュレーションを繰り返す。こうして事前準備を繰り返すからこそ、行き届いたものになっていく。そして計画を準備するから、評価改善して、成長も図れる。

ではどのように計画を準備するかといえば「誰かの手伝いを得るために説明をする」という想定をして、次の9つの質問を具体的に回答していくと、自然と計画が整っていく。

ブース出展を考える9つの質問(6W3H)

  • ニーズの2W1H? Why(ニーズとその原因)、for Whom(誰のために)、How far(どこまで)
  • プロセスの3W1H? What & How(何をどうやってやるか)、When(いつやるか)、Where(どこでやるか)
  • 資源の1W1H? Who(だれがやるか)、How much(いくらでやるのか)

イベント出展する機会を最大限活用する

イベントという場を最大限活かして、ブース出展を効果的にするために

  • どんなブースにしたいか?
  • どんな人に出会いたいか?
  • どんなことを伝えたいか?

こうして具体的に考えていくと、いろいろと「こうしたことを実現したい」という気持ちが溢れてくるはずだ。それらを手がかりにして、自分たちで得たい目標をまず掲げてみる。そしてブース出展という機会を活用するための計画を考えよう。

〇例えば、ブース出展ではスタッフだけでは手が回らないならば、当日のブースを誰かにお願いすることになる。知り合いに声をかけて、協力を要請していく。すると、その人は当日ボランティアとして、いままでよりも一段階、関係性がステップアップしていくことになる。

〇またイベント当日、ブースへの来場者に団体の意義や取り組む事業について説明したいが、なかなか足を留めてもらえない。そこで簡単なクイズ形式のアンケート(めるまがのためのメールアドレス記入を含む)を用意しておくと、容易に立ち寄ることができ、しかも関係性が、会場での来訪者がメルマガ登録者→読者にステップアップする。

〇また今度、イベントに出展することを従来からの支援者に呼びかけて告知協力してもらうと、支援者の周囲にいる人に呼びかけて会場に足を運んでもらえる。しかも支援者が一緒に行くからと、団体のブースに新しい方とともに立ち寄ってくれることができると、関心層がブース来訪者とステップアップする。

このようにみていくと、機会を重ねることで、関係性が一段階ずつそれぞれ高まってくることがわかると思う。頭の中で団体を支えるステークフォルダー・ピラミッドを意識して、一段階ステップアップを考えていくこと、そしてステップアップさせるためには相手が属しているステージに応じてやり方を変えることこそ、具体的なファンドレイジングとしての働きかけとなる。

ブースでの巻き込み力を強化していくためには

主催団体からのレギュレーション(出展に関するルールやブースの実寸、活用できるもの)を基にして、自団体のブース構成を計画する。例えば、出展ブースの中に設置する机の上には何をおいて、背面ボードにはどんな飾りつけをして、映像資料はどうするか、それらを運営する人はどんな服装でどのようなアプローチをするかを具体的に検討して、図面に引いていく。

その際に盛り込みたいこととしては。

訴求要素

  • 実利感(クイズに答えて記念品がもらえる等)
  • 仲間感(来場記念に特製ステッカーを渡して、ステッカーを持っている同士の一体感を持つ等)
  • 共感感(メッセージボードを用意して、共感している仲間の声をいろいろと聞くと自分も同じ気持ちだとシンクロする等)

しくみの設計

  • 見せ方(数多くのブースの中で立ち寄りやすくするにはどう見せていくか)
  • ステップアップ導線(その人との関係性を一段階高める。場合によってはデータベースに登録・活用していく)
  • 発信戦略(ブース内にフォトジェニックなしかけなどを用意。SNS映えを意識)
  • 継続の仕掛け(めるまが登録やマンスリーサポーター登録など)

一般的なイベントブース出展の企画構成の流れ

1.初めに「参加目的を明確にする」

イベント出展への主な参加目的

  • 社会的な課題解決への認知度向上 
  • 一般消費者への理解促進(B to C)
  • 業界・企業間取引の営業促進(B to B)
  • マーケティング、情報収集&調査
  • 新商品やサービスの発表と認知度向上など

2.会場設計:平面(2D)でなく立体(3D)でとらえる

目標達成に向けて5W2Hのフレームワークで考える

When いつWhere どこで Who 誰が What 何を Why なぜ How どのように How mach いくらで「何をする必要があるのか」「どのように行うのか」「どのスペースを活用するのか」人・モノの導線を考慮して会場設計する。

特に、会場内での人の流れ、他のブースとの繋がりなどを考える

3.ブース計画:「立ち寄りやすい雰囲気」をつくる

足を留める工夫と立ち寄りやすいブース設計

  • チラシ、パンフレットで商談の機会をつくる
  • 休憩できるコーナーや、立ち入りやすい流れ、見ているお客様でまた別のお客様が足を止める工夫を

わかりやすい装飾(目線の高さにはどんなものがあるかを重視する)

  • インパクトある写真をつかったポスター(近づいて見ないとわからないではなく、なんだろうと識別できる)
  • 10m離れたところからの視認性を確認

4.プレゼンテーション:簡素に、インパクトを強く

参加者は多くのブースを回る前提で考える

  • 訴求点だけを端的に伝えて、自団体の優位性を印象付ける
  • 詳細情報は資料に掲載して、のちのアクションを誘導する

5.実施計画:綿密な計画をたてる

その設計は具体的で、狙いに合致したものか、そして目立つか

  • 実際のブース設計なり、配布するパンフレットなりをまとめていくことで企画に「エッジが立っているか」が判断できる
  • 納期、品質、デザイン

ブース出展でのお客様対応の例

イベント名

〇×〇×

目的

  • 自団体に関心を持つ来場者と交流を持ち、一件でも多くの支援依頼を獲得する(自ブース内への入場者数よりも、商談数を重視する)
  • 寄付付き商品を取り扱いできる拠点を増やすために、商談数を増やす

ブース装飾

  • イメージポスター
  • 社会的課題解説用ポスター
  • 寄付付き商品の展示
  • あなたの10,000円はどのように役立つかの啓発パネル

準備物

  • PV&掲示ポスター:通行人の足を留め、ブース内誘導の契機を作る
  • 配布チラシ:ブースを通りがかる方に配りながら自ブース内へ誘導する
  • 団体案内パンフレット:自ブース内に誘導した方へ手渡す
  • アンケート用紙:自ブース内にて説明終了後に記入して頂く
  • ノベルティ:アンケートにお答え頂いた方にプレゼントする
  • 寄付付き商品の見込み客用のサンプル
  • 封筒&広告手提げ袋:上記一式を入れてお持ち帰り頂く。他団体販促物も自社の袋に格納されるよう、手提げ袋は大きめに作成
  • お礼状:後日、御礼状を送付する
  • ユニフォーム:団体として統一したイメージを醸し出す

スタッフ

営業部門担当1:来場者の呼び込み・誘導・整理
営業部門担当2:展示物の説明
支援部門担当:支援方法の説明・質疑応答

プレゼンテーション【全体時間 約30分】

  • サービス説明(営業担当)10分
  • 支援現場説明(現場担当)15分
  • その他連絡事項(支援担当)5分

来場促進

  1. 関係性のある方々にデータベースから案内DMまたは、案内メールを送る。
  2. 営業担当が積極的に電話連絡を行う
  3. ほかのスタッフも総がかりで知り合いにDMを案内状として直接、呼び込みする

当日の受け入れ準備

  1. 問合せ・支援依頼の方法を詳細にする
  2. 団体理解を促すホームページの閲覧を案内
  3. スケジュール・手順・担当等の詳細を決める
  4. 案内説明のための資料セット
  5. リハーサル

アフターフォロー

  1. 当日頂いた名刺やアンケートデータを元に、御礼状を送付する
  2. 営業担当が積極的に電話連絡する
  3. データベースにコンタクト履歴を記入する

ファンドレイジング・コンサルタントへの道

▷ #19 効果的なイベント出展のコツ
▷ #18 共感性の高い主催イベントのコツ
▷ #17 イベント協賛のアプローチをする
▷ #16 ファンドレイジング・イベントを企画する
▷ #15 計画の進捗を管理する
▷ #14 事業計画をたてる
▷ #13 現状確認と課題解決
▷ #12 ゲームの活用
▷ #11 効果的な研修手法について2
▷ #10 効果的な研修手法について
▷ #09 研修の組み立て方
▷ #08 寄付のハードルを下げる「寄付付き商品」の活用
▷ #07 ベストプラクティクスを研究して、提案の引き出しを増やす
▷ #06 ヒアリングを通じて、前向きな機運を醸成する秘訣
▷ #05 ヒアリングの技術を磨く
▷ #04 話す前に~120%の準備で70%のチカラを発揮する
▷ #03 周囲を引き寄せていくための話し方
▷ #02 コンサルタントに必要な技能
▷ #01 コンサルタントの役割

関連記事

もっと見る