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P-10 社会的インパクト評価の視点を取り入れる:広報的ファンドレイジングを強くする12のポイント

ここまでは、広報的ファンドレイジングを実行していくにあたって事前に組織内で確認しておくべきこと=相手、目的、ツール、優先順位についてその確認や改善のポイントをご紹介してきました。

ここからは、社会的インパクト評価×広報の視点で、広報的ファンドレイジングの強化を考えます。

社会的インパクト評価

社会的インパクト評価とは

「社会的インパクトを定量的・定性的に把握し、当該事業や活動について価値判断を加えること」。

わかりやすく言えば、自分たちの行っている/行おうとしている事業や活動は、社会にどのような変化・価値を生み出そうとしているのかを予め数字や言葉で明らかにし、その成果を数字や言葉で確認すること。さらにその成果に基づいて、その事業や活動を続ける・改善する・停止するなどの判断を行うことです。

社会的インパクト評価の実行プロセス

評価は、始めようと思ってすぐに「評価」に着手できません。まずは、何のための評価なのか(事業の改善のため、事業の成果をわかりやすく説明するためなど)や、評価の対象(どの事業、どの関係者など)などの事前設計からはじめます。

なぜ今社会的インパクト評価なのか

社会的インパクト評価が注目される背景には、主に次の3つの変化があると考えています。

1. 資金の出し手の意識変化

企業や財団、個人寄付者など、社会に良い活動に対して資金を提供する人たちが、対症療法的な取り組みよりも、本質的に社会課題の解決につながる取り組みに資金が使われることを好むようになった、または好む人が増えてきた

2. 価値観・アプローチの多様化

社会課題解決に取り組む団体が増えたことで、活動領域が似ていても、目指しているゴールが異なったり、ゴールへのアプローチが異なったりすることが増えてきた
そのため、ミッション・ビジョンのようなシンプルな言葉だけでは独自性が説明しきれなくなってきた

3. 事業を行う主体の多様化

企業や行政等、ソーシャルセクター以外にも社会課題の解決に取り組む組織が増え、組織・セクターを越えた連携も重要になってきている
社会的インパクト評価は、そのような多様なプレイヤーが使える共通言語になり得る

社会的インパクト評価の視点

ロジカルな説明を好む支援者が増えていく中、社会的インパクト評価の視点は、広報・ファンドレイジング担当者もぜひ取り入れたいものです。
次回は、社会的インパクト評価の設計時に作成するロジックモデルについてご紹介します。

Point-10 のまとめ

支援者、活動主体、連携が多様化する中、社会的インパクト評価の視点は、広報・ファンドレイジング担当者にとっても重要なものになっている。
評価は思いついてすぐにできることではないので、事前設計を大切にする。


広報的ファンドレイジングを強くする12のポイント

P- 00 ひとつずつ始める
P- 01 自団体の強みと課題を知る
P- 02 ファンドレイジングの注力点を決める
P- 03 他団体の事例を知る
P- 04 コミュニケーションの相手を知る
P- 05 キーメッセージを考える
P- 06 ドナージャーニーマップを考える①
P- 07 ドナージャーニーマップを考える②
P- 08 ツールのゴールと導線を整理する
P- 09 ツールの改善作業と継続的な見直しの計画をたてる
P- 10 社会的インパクト評価の視点を取り入れる
P- 11 プロセスの可視化と広報
P- 12 モニタリング結果の可視化と広報

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