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IMPACT LAB

インパクトラボ

#07 ベストプラクティクスを研究して、提案の引き出しを増やす―ファンドレイジング・コンサルタントへの道

コロナの影響を受けて、回数が減り、オンラインへ場が移ったとはいえ、いまでも月に6-8本、研修の機会を全国で持たせてもらっている。ご要望に応じて、数多くの話題を提供することができるが、中でも最もご依頼が多く、参加者の満足度が高いテーマのひとつが「ベストプラクティクスについて知る」だ。

以下に、当社で最近手掛けている講演テーマについて列挙しておくので、関心や興味があれば、ご依頼いただいたり、機会あれば月一回のファンドレックス・セミナーにもご参加いただきたい。

最近の主な講演テーマ一覧

  1. 始まっています!地域における新しい志金循環~ファンドレイジングの成功事例から学ぶ
  2. 寄付したいと思わず言ってしまう!!~1分間で相手を動かす話し方
  3. 寄付額増大につながる~データ活用による支援者との関係性の深め方
  4. 他団体に学ぶ~大学のファンドレイザーの現場から
  5. NPOで働くということについて知ってもらいたい10のこと(新人教育)
  6. NPOの組織・役割とボランティアマネジメント
  7. 寄付とボランティアが進むファンドレイジングイベントの進め方
  8. クラウドファンディング徹底解説
  9. 絵本作り新聞記事⇒ミッションビジョンを改めて見つめなおそう
  10. 日本の「寄付の歴史」を見つめなおしてみよう
  11. 社会課題解決型ふるさと納税を徹底開設
  12. ペルソナマーケティングとドナージャーニー
  13. ステークホルダ分析ドナーピラミッド分析から資金調達シミュレーション
  14. ACTIONフレームワークと広報ツールの棚卸し
  15. SWOT分析3C分析ポジショニング分析による自団体の強み発見

ベストプラクティクスを研究する理由

映画『羅生門』(1950年)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞し、日本映画が国際的に認知されるきっかけを作った映画監督の黒澤明さんは『創造というのは記憶。自分の経験やいろいろなものを読んで記憶に残っていたものが足がかりになって、何かが創れるんで、無から創造できるはずがない。』という言葉を残し、手元にノートをおいて記録しながら映画を視聴することを勧めた。このように新しいアイデアとは、既存の要素をいくつか組み合わせて、生み出されるものであって、そのためには、記憶の引き出しには数多くの経験や体験、記憶がはいっていなければならない。

成功事例を数多く知っておくことで、提案の幅が広がる。団体組織のおかれている環境や状況が異なるため、まったく同じ内容を実施することはできないが、成功事例を研究することによって、類似の案件での対応方法を活用することができる。

実際の研修のセッションでは、ひとつひとつの事例を通じて解説を加えながら、参加者にとって「何が自分にとって興味深いか」「自分たちで取り組むとしたらどれがいいか」「どんなところに魅かれるか」について考えてもらう。これはどうしても事業者側の視点になりがちなところを、支援者視点でどのように見えるかを感じてもらうことで、改善のヒントを得るためである。また事業開発においても、成功事例の上手な取り込みは重要なアプローチであるので。コンサルティングの現場においては、ベストプラクティクスから導かれる効果を提案する。時には、成功事例ばかりでなく、失敗事例から学ぶことも大切で、いずれにして、一からやれば多くの時間と資源を投入して、やっと体得できるものをベストプラクティクスを研究することによって、施策だけでなく、その背景、プロセス、成功の要件などを貴重な経験を知ることができる。

たくさんある寄付のメニュー

寄付先への直接振り込み
金融機関を介して、一度きりの寄付や、会員やマンスリーサポーターとなって継続的に支援するなどのほかに、特定の分野や事業に対して等、使い道を決めて行う指定寄付などがある。

オンライン寄付
クレジットや電子マネー(キャッシュレス決済)等をつかっての寄付。インターネットを使えば時間帯を気にすることなく、どこからでも寄付することができる。今の寄付の主流。

コンビニで寄付
コンビニ決済に対応しているところもある。

チャレンジ寄付
自分で何かのチャレンジでチャリティできるサイトも利用できる。

くじ付き寄付
一定額以上を寄付すると抽選で豪華でプライスレスな特典(例えば有名人と一緒に散歩できる権利とか)が当たる。

盟主寄付
一口城主、一口館長のように、わかりやすいネーミングでステータス感が得られるため、ヒット。その方々だけに集う機会だけでも特典となる。

プランド・ギビング(特定寄付信託)
信託を活かして計画的に寄付することもでき、信託銀行などが商品を出している。

遺贈
人生の集大成としての寄付。遺贈(公正証書遺言)によって、指定した団体へ想いを残していくことができる。

香典返し寄付
会葬者には礼状だけにして、香典返しを送る代わりに寄付を行う方もいる。地域の習わしで香典返しは、例えば地域の社会福祉協議会に送るようにしているところもある。

買い物をして寄付
寄付付き商品を選択することで、商品を購入して、社会的課題の解決に寄与することができる。どうせ同じようなものを買うのだったら、価格や嗜好・品質のほかに社会に役立つことが購買を後押ししている。他にも環境負荷の低い商品や、持続可能な生産管理の食品、フェアトレードなエシカル商品など、買い物による選択によって社会的課題の解決に取り組むことも可能。

チャリティコンサートに参加
コンサートなどのイベント参加費の一部が寄付になっているものもある。「楽しむことが誰かのためになる」ことから、寄付のハードルを下げて気軽に参加できる。

クレジットカードで社会貢献する
寄付付き商品を購入するばかりでなく、クレジットカードでも使用するたびに何らかの社会貢献に寄付するしくみを取っているカードがたくさん発行されている。また、使用金額に応じて貯まったポイントをつかって団体に寄付するプログラムも多くのクレジット会社が設けている。

ポイント寄付
同じように、利用カードのポイントなどを寄付することもできる。手元に現金がなかったり、クレジットカードでなくても、手軽にポイント移動で寄付できることから、災害時など多額が集まったりする。

募金箱で寄付
街頭や店頭に設けられた募金箱、路上での呼びかけに応じて寄付する人もたくさんいる。買い物の釣銭を寄付することが多く、寄付の入門編の意味合いもある。また募金箱は金額を集める機能とともに、広報の役割を担う。ひとつの募金箱だけであれば「入れる」か「入れないか」になるが、複数のテーマに基づく募金箱が並んでおれば入れるか入れないかではなく「どれに入れるか」の選択に代えることができる。

封筒寄付
パーティなどでは、寄付者の氏名、住所などを記入してもらい、寄付金を入れる封筒を用意して寄付を呼びかけ、透明な募金箱に入れてもらう。寄付額そのものはわからないが、たくさん封筒が詰まっていると、自分もしなくてはという気持ちにさせられるし、寄付額そのものがわからないので個人にとってもよい。

定期的に支援続ける
マンスリーサポーター/会員になることで、定期的に応援もできる。実は一度に多額するよりも、少額でもコツコツと積み上げていったほうが寄付額累計では大きくなったりするし、支援者と関係性を深めることもできる。
また価格帯別に様々な特典を用意して、複数の会員制度を持っている組織もある。

きっかけとしての寄付

人生の記念日で社会貢献する
新聞社の事業団などを使って、誕生日に年齢×100円などや、子どもの日に児童支援団体へなど、記念日を契機として寄付される方もいる。新聞紙面に名前が掲載されて、一人一人では小さな力もみんなで集まれば大きな力となることが実感できる。
また環境への配慮や、社会的課題を意識したといった意思表明や表現の手段として、人生の節目に自分らしいやり方ですることもできる。子どもが生まれた記念や木造の家を建てた機会に、木を植え、森を育てる活動をしたり、誰かに贈るプレゼントを社会貢献的な要素の高いものを選択したり、など。寄付もそうした表現の一つ。「記念日寄付」あなただったら、どんなことをしてみたいか?

おすそ分け寄付
マラソンを完走したから等、何かを達成した喜びのおすそ分けとして寄付される方も。国体出場記念やホールインワン賞や、ノーベル賞受賞記念ホールなどもこうした一環といえる。

ご祝儀寄付
受章された団体にお祝いとしてとか、偉業を達成された記念に寄付することも。

やったつもり寄付
結婚記念日に夫婦で食事に行ったつもりで飢餓に取り組む団体に寄付するなど、何かを行ったつもりになってその代金を寄付するとか、楽しんだつもりで寄付も。

自分で決める寄付の日
苦難に備えて、月一回被災地と同じ食事をしてその分を計画的に寄付されている方も。ある有名人スターの誕生日にファンがこぞって、その人の名前で応援している団体へ寄付して、トータルでの寄付額を積み上げる事例もある。

ダイエット寄付
飢餓に苦しんでいる人の気持ちをわかちあって、学生食堂や社員食堂でローカロリーメニューを選んで、その代金相当が寄付される例も。

自販機寄付
身近な自販機だからこそ、寄付のハードルを下げ、団体や社会課題への関心のきっかけとなる。自販機の機能によっては、音声でお礼を伝えたり、自販機前面に連絡シートで「使い道、集まった額」などを表示することもできる。お釣りを寄付する感覚で寄付ボタンのあるものや、寄付の取り組みを全体のラッピングで表示することも可能。缶状の容器を使って、寄付付き商品を販売しているところもある。

コーヒーチャリティ
好きな嗜好品を愉しむたびに、寄付する習慣を持っている方も。

チャリティオークション
著名人の方々などの協力によって、提供されたグッズを落札して応援。

遠征する人にカンパ
出場者などの交通費や資材を支援するために、仲間やOB・OGに呼び掛ける。地域によっては、ラーメンやカレーのレトルトパックを買って支援するところも。

カンパイチャリティ
「カンパ」と祝杯をあげる「乾杯」にひっかけた言葉。地域の飲食店などに協力してもらって、飲み物を愉しむたびに寄付へ繋げるしくみ。

節電寄付
1ヶ月の電気代の目標を設定し、節電で浮いた差額を環境保護団体に寄付。新電力会社ではサービスの一環として、そうした取り組みを商品としているところも。

目標寄付
一日10円ずつ貯めて、1年分たまったら寄付したり、おつりでもらった1円玉は必ず集めて1,000円になったら寄付したり、3㎏ダイエットに成功したら3,000円寄付など。

おつり寄付
コンビニなどで必ずお札を出した時には、おつりの硬貨(小銭)は取らないで必ず募金箱へいれるという方や、財布に500円玉が巡ってきたら取り出して500円玉貯金を行って、貯まったらどこかに寄付する方も。いずれも「一定額の消費に伴って一定額を寄付する」と決めてバランスをとっている人だ。

ユニークなギフト
動物園、水族館などでは、例えばゾウの鼻で描いた文字やペンギンの足跡Tシャツ等、寄付者に対してプライスレスなギフト(返礼品)を設けている。

寄付額相当を取り除いた寄付付き商品
あえて、商品から寄付額相当分を取り除いて寄付付き商品であることを示す取り組み。寄付付き商品が選択しやすくなり、寄付額が積み上げられると共に、話題になり、やがては支援者は取り除いた商品を見るだけで、その団体や受益者のことを連想するようになる。

みんなで生み出す寄付
例えば、みんなで地域に新しい拠点ができるなどに協力してもらい、その仲間のしるしとして寄付者銘版の前で記念撮影した場合には、一体感とプライスレスな名誉感が味わえる。また出来上がった画像がインスタ映えするようであれば、情報は拡散されやすいし、またそれを見た人が自分もやってみたいと参加の輪が広がる可能性が高い。集まった寄付額に応じて、目標物が仕上がっていく様子を見せるなどの工夫も。

3つの財布
アメリカでの子育てのひとつで、子どもには「貯金する」「学用品や好きなものを買う」「寄付をする」の3つの財布をもたせて、おこづかいを渡したら、少ないながらもやりくりをして、寄付をすることを考えさせることを実践させていく。

お金ばかりではない、様々な寄付の方法

大掃除して寄付する
「もったいない寄付」として家庭内で眠っている不用品や未使用品を役立てることができる。社会貢献な毎日を過ごす方法は、あなたの選択でたくさんある。

  • 未使用のテレホンカード、商品券などの金券、切手などを集めて送る
  • 使用済みインクリボン回収、未使用・書き損じはがき回収
  • 読まなくなった古本を寄付
  • 古紙回収、古着回収で協力
  • いらなくなった音楽CD、ゲームソフトで支援
  • 使わなくなった携帯電話を回収してレアメタルを活かす
  • 学用品やランドセルを途上国や被災地域に送る
  • 使わなくなった楽器を集めて応援
  • 外国紙幣やコインを役立てる

バザーを開いて応援する
家の中でスペースを占めていた新品の日用品や使わない品物を、フリーマーケットやバザーで他の方に役立ててもらい、販売によって得たお金を役立てることもできる。生活の中で断捨離も同時に進む。

クリック募金
いいなと思ったところをクリックするだけで、あなたに代わってスポンサーが寄付するサイトがある。また気に入ったら、ブログパーツとして、自分のブログサイトに貼り付けることもできたりする。購入サイトへの誘導がアフェリエイトとして入金されるので、団体によっては自分の組織サイトからアフェリエイトのリンクバナーをたどって購入サイトへいってほしいと呼びかけているところもある。

つぶやき募金
つぶやきサイトで、ハッシュタグなど決められた方法でつぶやくだけで、その数に応じてスポンサーから寄付されるしくみもある。

残り福の寄付
遊戯で楽しんだ後、景品に交換した残りポイント等を寄付することもできる。

買い物レシートキャンペーン
レジからのレシートを団体へ投票して、その合計額に応じて、スポンサーが代わって寄付する流通スーパーなどもある。

エコキャップ回収
集めてまとめて、売却益がでたらワクチンを贈る団体へ寄付している。


ファンドレイジング・コンサルタントへの道

▷ #08 寄付のハードルを下げる「寄付付き商品」の活用
▷ #07 ベストプラクティクスを研究して、提案の引き出しを増やす
▷ #06 ヒアリングを通じて、前向きな機運を醸成する秘訣
▷ #05 ヒアリングの技術を磨く
▷ #04 話す前に~120%の準備で70%のチカラを発揮する
▷ #03 周囲を引き寄せていくための話し方
▷ #02 コンサルタントに必要な技能
▷ #01 コンサルタントの役割

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