調査 / レポート
10回目:ファンドレイジングでよく聞く横文字7選ー新人コンサルタントのFR学習帳
はじめに
ファンドレイジングの世界では、様々な専門用語や横文字が日本国内でも頻繁に使われています。ファンドレイジングの用語を理解することでより効果的な資金調達や社会的な影響の最大化を図ることにつながります。今回、7つのファンドレイジングでよく耳にする横文字について解説していきます。
(1)フィランソロピー(Philanthropy)
フィランソロピーは、個人や組織が寄付とボランティアを通じて社会や地域の改善に貢献する行為を指します。寄付者及びボランティアが善意に基づいて行う支援活動は、国際協力、教育、地方創生、医療、環境保護など多岐にわたります。
フィランソロピーとは、「人類への愛」という意味で、ギリシャ語の「フィロス(愛)」と「アントロポス(人類)」が語源です。現在、フィランソロピーは、社会的な課題の解決に向けた重要な手段として、日本や世界で展開されています。
(2)ソーシャルインパクト(Social Impact)
ソーシャルインパクトとは、社会への影響・変化を指し、社会的影響と端的に訳されることが多いです。ファンドレイジングの目的の一つは、資金を集めるだけでなく、取り組むプロジェクトが社会的な変化をもたらすことです。
寄付者やボランティアの皆さんは、自身の寄付やボランティア活動が社会にポジティブな影響をもたらすことを期待しています。
(3)コレクティブ・インパクト(Collective Impact)
コレクティブ・インパクトは、複雑な社会問題に対処するために異なる組織やステークホルダーが連携し、共通の目標に向かって協力するアプローチです。
同じ社会課題の解決を目指す組織がそれぞれの分野から集まる共感の場を形成し、その専門性を結集することで、より大きな変革をもたらすことを目指します。
(4)ロジックモデル(Logic Model)
ロジックモデルは、プロジェクトの成果、活動、目標を論理的なフレームワークで示したものです。ロジックモデルとは、プロジェクトの目的達成に至るまでの論理的な因果関係を明示したものです。
ファンドレイジングにおいては、支援者に対してプロジェクトの具体的な計画や効果をわかりやすく伝えるために使用されています。
(5)プランドギビング(Planned Giving)
プランドギビングは、寄付者が将来の寄付を計画し、遺産や保険などで非営利団体に寄贈する手法です。日本では、特定寄附信託として信託銀行を寄付者と寄付先に介在させる計画的な寄附として導入されています。
(6)ケースステートメント(Case Statement)
ケースステートメントは、非営利団体が支援者に向けて提供する、寄付の必要性や重要性を説明する資料のことです。
具体的には、ミッション、実施体制、中期計画、ガバナンス、財務、予算などの資料を指します。支援者に対してなぜそのプロジェクトが必要なのかを明確に伝えるために活用します。
(7) コーズリレーティッドマーケティング(Cause-Related Marketing)
コーズリレーティッドマーケティングは、企業が商品の売上によって得た利益の一部を非営利組織に寄付するマーケティング手法です。これによって、企業には具体的な社会貢献のプロモーション効果をもたらし、非営利団体には、新たな寄付や知名度向上をもたらします。
また、消費者にとっては、社会課題を知るきっかけであると同時に寄付機会でもあります。企業と非営利団体が連携し、社会課題の解決に向けたアプローチする手法の一つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これらの横文字は、ファンドレイジングの世界で重要な役割を果たしています。私たちがこれからも効果的なファンドレイジングを実現するためには、これらの概念を理解し、戦略的に活用することが不可欠です。私は、これらの用語を積極的に理解するように努めていきます。
新人コンサルタントのFR学習帳
▷ #12 さようなら新人ファンドレイジングコンサルタント
▷ #11 ファンドレイジングコンサルタント1年目が読んだ8冊の必読書
▷ #10 ファンドレイジングでよく聞く横文字7選
▷ #9 ファンドレイジングに役立つ!事業戦略・マーケティング戦略7選
▷ #8 ファンドレイジングに役立つ!経営戦略フレームワーク12選
▷ #7 Chat GPTにファンドレイジングについて3つ質問してみた
▷ #6 わたしのクラウドファンディング体験記
▷ #5 ぜんぶ観ました!FRJ2023ファンドレイジング日本
▷ #4 My寄付ルール1.0
▷ #3 バースデードネーションとは?
▷ #2 私の寄付先を公開します。
▷ #1 500円から始められる毎月寄付10選
▷ #0 私は、新人コンサルタントの曽根拓也です。