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インパクトラボ

これからの寄付について考えるー3.宮下真美さんに聞くオンラインイベント

新型コロナの感染拡大は、寄付者やソーシャルセクターにも様々な形で影響を及ぼしています。寄付者とのコミュニケーションの最前線にいる人たちは、今どんなことを考えているのか。ゲストをお迎えしてインタビューさせていただく、「これからの寄付について考える」シリーズ。 第3回目は、ファンドレイジングに関わる人々と寄付など社会貢献に関心のある人々のためのNPO、日本ファンドレイジング協会( https://jfra.jp/)のマネージング・ディレクター宮下真美さんに、これからのオンラインイベントについてお話を伺いました。


宮下真美さんのご紹介

日本ファンドレイジング協会 マネージング・ディレクター

ファンドレイザーの専門家育成プログラムの事業統括、及び、Salesforce(世界最大のクラウド型CRM)の活用を軸に、広報・マーケティング全般の業務を統括。2017年、富山県に移住後も、マネージング・ディレクターとして、リモートワークスタイルで従事。

コロナ以降の仕事の状況について

宮下さんは今富山県にお住まいで、コロナ以前からリモートワークが中心でしたよね。緊急事態宣言以降、お仕事の内容に変化はありましたか。

3月の緊急事態宣言以降、日本ファンドレイジング協会としてもリモート中心に切り替えました。業務だけでなく、ファンドレイジング研修などの集合研修もすべてオンラインに切り替えたので、その準備は結構大変でしたね。

でも、オンラインに切り替えたら、上半期は昨年の1.5倍の人が研修に参加してくださいました。お住まいの地域やご家庭の事情等、これまで制約があった方が参加しやすくなったことが大きな理由だと思います。これはとても嬉しい変化でした。

研修に参加される方の属性にも変化はあったのでしょうか。

研修は、これまでも様々な属性の方がそれぞれの動機で受講してくださっていましたが、コロナ以降、非営利組織、特に長年活動を続けてこられた団体のスタッフの方の受講が増えたように感じています。

これまで順調にやってこられた団体でも、コロナの影響で事業や寄付の収入が減る一方、取り組まないといけない課題や相談は増えるといったアンバランスが起きていたりします。そのような中で、組織、事業、財源をもう一度総合的に見て考えたいという思いが背景にあるのだと思います。

自然災害と違っていろんなところに影響が出たため、今活動することや、寄付をお願いすることを躊躇われている団体もあります。真剣に向き合うからこそ、具体的な悩みが生まれる。そんな方たちが、改めて学びを求めて受講してくださっているように思います。

それから、企業にお勤めの方の受講動機にも変化を感じています。これまでは、転職や退職で非営利組織に移ることを想定されている方が多かったのですが、ビジネスとして社会的な視点を学びに来られている方が増えました。

組織の種類に関係なく、社会のために何かしたいと思う方が増えたことと、オンライン化によって研修への参加のハードルが下がったことが、良いタイミングでマッチしたのかなと思っています。

これからの寄付について

日本ファンドレイジング協会は、寄付のトレンド等についてメディアにコメントを求められることも多いですよね。最近の寄付、というか寄付を取り巻く環境について、何か感じておられることはありますか。

そうですね。メディアの取材を考えてみると、これまでは「どこに寄付すればいいか」「一番効率的に使ってくれる団体はどこか」みたいな質問が結構ありました。それが、「どうやって選べばいいか」という視点に変わってきましたね。

面白いですね。どうしてなんでしょう。

想像ですが、コロナの影響が始まってから、みんなそれぞれに色んなことに悩んだり、心を痛めたり、苦しかったりしていると思うんです。その想いを受け止めてくれる団体を、探しているのかなと。 寄付って、お金ですけど、ちょっとあったかいというか、心を乗せられるものだから。困っている人を支援したいということだけじゃなくて、応援したい気持ちを、寄付に乗せているんだと思います。

これからのソーシャルセクターについて

寄付者と団体が、お金を出す人とそのお金を使う団体という関係性から、自分の想いを受け止めてくれる団体に寄付という形で気持ちを寄せる、という関係性に変わってきているんですね。

そう感じます。同じコロナ禍の状況にいても、人によって感じ方や想いは違う。ひとつの切り口で語れないじゃないですか。だから、その人の心が動いたときに、その想いをちゃんと受け止められる多様なプレーヤーがいるソーシャルセクターになっていったらいいなと思っています。

プレーヤーの多様性という観点で言えば、これからは、非営利組織という枠を超えて、もっと広い意味でのソーシャルセクターになっていくんだろうと思います。社会をよくしたいというシンプルな気持ちが具体的な行動に反映されていれば、それはソーシャルセクターの仲間というか。不確実性が高い今だから、色んな立場の人が、柔軟に考えてアクションを起こしていくことが必要になってくると思っています。

例えば、外出自粛が続く中で、芸能人の方がライブ配信を始めたりされていましたよね。あれ、すごくいいなと思いました。芸能人の方がお料理をして、そのお料理を食べるという内容のライブ配信を、多くの人が一緒に見ながら、画面越しに一緒にごはんを食べていたという話も聞きました。

それって、もうつながってますよね。

そうなんです。つながってるし、孤食もなくしてるし、すごいなって。 つながりを作ることは、誰にでも必要なことだと思います。つながりを作るのには、オンラインはまだ難しいのかなという感じは私もあるんですが、諦めたくはないなと思っています。

今、力を入れていることについて

最後に、今特に力を入れられていることを伺っているんですが、来週*からFRJ2020が始まるタイミングなので、やっぱりFRJですか。

* 当インタビューは8/26に行いました。FRJ2020は、現在(9/5~9/12)開催中です。

そうですね。初めてのオンライン開催で、もうドキドキしています。先程もお話しましたが、温かみを感じるとか、つながるとか、偶発的に出会うとか、オンラインではまだ難しいところがあるのかなとは思います。それでも、FRJ2020では、そういう体験をして欲しいです。

今までより良い体験をしていただくというのはもちろんですが、とにかく全部が新しくやることなので。失敗とか成功とかじゃなくて、新しくどんなことをやってみたのか、その結果どうだったのかということを、みなさんに還元していくことを大事にしようと考えるようにしています。

FRJはこれまでも、事務局、協賛者、登壇者、ボランティア、来場者、色んな方と一緒に作る場だということを大切にしてきました。今回は、さらにその意識レベルが上がっている感じです。主催者も参加者も一緒になって、今まさにつくっているという段階ですね。

初めてのオンラインFRJ、私もとても楽しみにしています。私も含め参加される方々に向けて、FRJ2020の楽しみ方について何かアドバイスがあればお願いします。

オンラインのいいところを生かして、より学べる、より実践につなげられるように、連動企画やスピンオフ企画等、工夫を凝らしてきました。

ぜひ色々な企画に参加してみてください。積極的に動いて、話しかけて、違う意見にも耳を傾けて。この初チャレンジを、一緒に盛り上げて、楽しんでいただけたら嬉しいです。

宮下さん、FRJ2020直前の大変お忙しい時期にありがとうございました!

※FRJ2020の当日券販売(9/12まで購入可能)が決定しました。

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