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ヒント5「ただお金が集まれば良い訳ではない」:孤独なfrrへ贈る羅針盤~FR成功の(発想の着眼点)ヒント

いろいろな事業を進めていく中で、資金調達を兼ねて、多くの人々へ知ってもらったりする広報や、支援者候補との対話(リレーション)のために「クラウドファンディング」を年中、かなり切れ目なく関わっていることが多い。また単発の認知度向上キャンペーンであるクラウドファンディングばかりではなく、ずっと受け取り口座を用意して「寄付受付」をしているプロジェクトも多数、抱えている。そうした中で、よく話題になることがある。

1人から100万円か、1000人から100万円か?!

やる側(プロジェクトの主催者実行者)からすれば、多額の寄付額を納めていただける大口寄付者(メジャードナー)は大変ありがたく、労さずとも目標額達成ということもありうる。また実際、事後に「寄付者分析」を行ってみて、寄付額を価格帯別にゾーンとしてみていくと、いわゆる「2:8の法則」「パレートの法則」と言われる傾向もあって、多くのプロジェクトの寄付者価格帯分布では、2割の寄付者が全体の8割の寄付額を支えているということもあり、この少数の寄付者を大切にすることで寄付額が今後も維持していく可能性も開けていくことも確かなことだ。

参考:「パレートの法則」に関する参考情報

◆過去の寄付額はどれぐらいの金額かをドナーレンジチャートで:ファンドレイジングの教科書 第5回

◆寄付目標額を立てるには?:ソーシャルセクターのお悩み相談BOX 第13話

◆#23 ソーシャルセクターの支援者発見と組織状態の確認―ファンドレイジング・コンサルタントへの道

しかしながら、金額の伸びと同時に、数多くの人々に社会課題が存在していることを知ってもらい、その課題によって困っている人々がいることも知ってもらわなければ「やっていても意味がない」と思っている。

ファンドレイジングを通じて多くの人々へ働きかける

課題が確かに存在していると訴えかけて知ってもらうとともに、そのための解決策についての有効性を納得してもらう。このようにして「課題と解決策」に共感してもらえれば、次には行動へ移してもらえる。これが寄付に至るメカニズムだ。

前述の「クラウドファンディング」では実施期間期限内に目標額へ到達することが一種のゲームのルールのように作用して、多くの皆さんからの寄付金を積み上げて寄付額の目標額までの達成率がいつも取り沙汰される。いわく「開始○○日で○○%を達成しました」という案内もSNSなどでよく見かけるし、自分自身においてもよく発信している。しかしながら、寄付総額ばかりではなく、支援いただいている方々の数だとか、その寄付者が存在してる地域が例えば「すべての都道府県から」とか、「県内すべての市町から」支持を得たというのは、とてもインパクトがあるというより、意味深いものだと思っている。数多くの人々に知ってもらわなければ「やっていても意味がない」というのはこのせいである。

地域の皆さんから応援していただいてる場合でも例えば支援企業が「オール○○」ともいえるような陣容になっているとか、先ほどの1万人もの数多くの方々からご支持をいただくとかは、とても重要なことだ。これを言えるようにするためには、途中途中で寄付者それぞれをしっかりと見つめて、どこにお住いの人が、どんな年代の方がとかプロフィールについてよく把握しておき「あとこの地域とこの地域とこの地域から寄付が来たら全県達成だ。どこかに知り合いはいないか?」などと働きかけのポイントを絞っていくこととなる。ひとり・ひとつの地区がかけてもこれが言えなくなるので、すっかりと白地図を塗りつぶしていこう。

この時には、参画してくださる寄付者層のピラミッドを意識して、さらにすそ野を広げていくにはどうすればいいかというイメージもできてくるのではないか思われる。

参考:「働きかけ」に関する参考情報

◆広報ツールを棚卸して、支援者コミュニケーションの頻度も検討する:ファンドレイジングの教科書 第9回

◆#23 ソーシャルセクターの支援者発見と組織状態の確認―ファンドレイジング・コンサルタントへの道

◆共感の輪が広がる、周囲を巻き込む人の話し方~エレベータートークの実習から学ぶこと

マッチングギフトというやり方

例えば従業員の寄付額 へ会社側が寄付額を上乗せするなど、実現したほうが良いと多くの人が思っている事例(プロジェクト)について、より早く実現するようにと 集まった寄付額に応じて、他の主体が寄付額を同額寄付する「マッチングギフト」もこれもプロジェクトの主催者側からするとこの上なく有難いものだ。「マッチングギフト」という手法も素晴らしいし、ご自身でもどこに対しても寄付できるところを、選択の価値基準を多くの人々が手を挙げているところというのが素晴らしい。

しかしながら、こちらも寄付額として考える際には、マッチングギフトの額とは切り離してあくまで別枠としてとらえておきたい。理由は前述の通りで、すそ野を広げていくことが大切だからだ。

誤解を恐れずに、極端な言い方をすれば「寄付が集まらなくてもよいのだ」。ファンドレイジングによって、「働きかけ」によって、多くの人々が知るところとなり、課題が顕在化することで人々の認識が変わる。それが社会が動いた、明日が変わるということに繋がるからだ。

いかがだったでしょうか、次回は 「6.使えるものは何でも使え 」をお届けいたします。

参考:「マッチングギフト」に関する参考情報

◆今支援が集まっているクラファンプロジェクトの特徴とは

◆1回目:ファンドレイザー必読!「寄付」に関わる横文字5選ー2年目コンサルタントのFR学習帳


本稿で取り上げたい「ご質問」「ご相談」がございましたら、ぜひお聞かせください。


▷ ヒント1「周囲(地域)のムードをかえる」
▷ ヒント2「過去に学ぶが、前例にとらわれすぎるな」
▷ ヒント3「ぶれない、長年やってきて支持されてきたことを信じる」
▷ ヒント4「企画段階は創造的に、実行段階は淡々と」
▷ ヒント5「ただお金が集まれば良い訳ではない」

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