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寄付は一部のNPOに集中する!?~公開データから見えたこと

日本での寄付金は1兆円(『寄付白書2017(日本ファンドレイジング協会)』)を優に超えていますが、それらが具体的にどの法人にわたっているのかは、なかなか分かりにくいかと思います。

今回は、この寄付金と寄付先について公開情報をもとに探ってみました。

1.認定NPO法人内での寄付の偏重度合いは?

まず認定NPO法人について見ていきます。参考とする情報は『認定NPO法人データベース(コングラント株式会社)』で、今日時点で1,180団体の情報が公開されています。最初に財源比率から全体感を確認します。

財源比は「事業収益」が最も高く、次いで「寄付・会費」が多いことがわかります。

次に、「寄付・会費」に絞って、その構成比を見ていきます。

年間1千万円以上の寄付を集めている認定NPO法人は266団体で、全体の22.6%を占めています。ただ、この数字だけを見ても何が何だかだと思います。

そこで、法人数と金額の比率で見てみたのが下図になります。

266団体(22.6%)で、312億円という寄付全体の92.4%を占めていることがわかります。

さらに、もう一つグラフを見てみましょう。

上位3団体(0.3%)で、164億円という金額比48.6%を占めています。さらに、その3団体を含めた上位30団体(2.6%)で238億円(70.6%)を占め、同じく上位100団体(8.5%)で282憶円(83.4)を占めていることがわかります。

つまり認定NPO法人では、数%という一部の団体が、7割強という多大な寄付・会費を集めている実情がうかがえます。

2.公益法人内での寄付の偏重度合いは?

寄付を集めている法人は、公益法人、社会福祉法人、日本赤十字、(ふるさと納税が話題の)自治体、学校法人、宗教法人、政治献金などがあります。今回はさらに、公益法人についても見ていきます。

参考とする情報は『公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告(内閣府)』で、公益財団法人と公益社団法人の両方を含めた9,581法人について記載があります。

まず寄付金の収入状況です。

半数以上の公益法人が寄付を集めていることがわかります。

次に、この寄付を集めている4,880法人に絞って、収入規模別にまとめてみたのが下図になります。

この情報だけでは何とも言えないため、認定NPO法人の同じ数字と比較してみます。

着目点は、公益法人と認定NPO法人の寄付額の中央値がほとんど同じでありながら、平均値は公益法人の方が2.6倍以上高いことです。

これは、前述した通り認定NPO法人では一部に寄付が集中していましたが、公益法人も同様に集中している可能性が考えられます。さらに、認定NPO法人よりも偏重となっている可能性がうかがえます。

3.最後に

今回は公開データから、寄付金額が一部の寄付先に集中していること(その可能性)を見てきました。ただ、一部に集中していることは決して悪いことではありません。それは、寄付者の意向が反映している結果であり、また寄付先としても積極的なファンドレイジング活動の結果でもあるからです。大切なことは、こうした現状を知ることだと私は思っています。

参考資料

『認定NPO法人データベース(コングラント株式会社)』( https://data.congrant.jp/

『公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告(内閣府)』( https://www.koeki-info.go.jp/outline/pdf/2019_01_houkoku.pdf

調査をされた関係機関の方へ

貴重な資料を作成・公開されていること誠に感謝申し上げます。

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