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インパクトラボ

データ・ドリブン・ファンドレジングの進め方

最近は、ファンドレジングにおいてデータを活用して効果を高める場面が増えてきました。私もその実務を担う機会も多いことから、その進め方について触れたいと思います。

一般的に、定性・定量的な情報をもとにファンドレジングを行うことを「データ・ドリブン・ファンドレジング(以下、DDFと略)」と呼ばれており、このDDFの具体的に進め方には5つのステップがあります。

STEP1【(情報を)見る】
STEP2【(情報から)考える】
STEP3【決める】
STEP4【行動する】
STEP5【振り返る(≒見る/考える)】
(※↑かなり簡潔な表現にしています)

いずれのステップも、行き来しながら進めていきます。例えば、STEP1で情報を見て、STEP2で考えてみたけど、再度STEP1で情報を見返す、といった具合です。

今回はこのうち【(情報を)見る】【(情報から)考える】について、もう少し深堀りしてみます。

1.情報を見る

まず【(情報を)見る】は、【情報を用意する】と【情報を読み取る】に分けられます。

これを天気予報を例にみていきますと、「明日は山へハイキングに行く」という目的があったとして、テレビやラジオ、ネットなどを通じて天気予報を見ます。

「番組を視聴する」「パソコンの画面上にサイトを表示する」というのが【情報を用意する】にあたります。

次に、表示された情報などから「降水確率」「気温」などハイキングに必要な情報を選びます。あわせて、気温であれば昨日の温度と比較して、高いどうかという情報の意味付けをします。ここまでが【情報を読み取る】になります。

ポイントは

  • 目的を持つこと
  • 正しい情報を用意すること
  • 比較して情報の意味づけをすること

もし目的が「海に行く」となれば”見る”情報は変わりますし、異なった場所の天気予報ページを表示すれば”読み取る”ことも変わります。

2.情報から考える

引き続き天気予報の例でみてみましょう。

大半の人は降水確率が100%であれば雨、0%だと晴れだと考えるでしょう。ところが、30%だったら、40%だったら、どうでしょうか。ある人は過去の経験から、30%だと晴れて、仮に”にわか雨”が降ってもよしと考えるかもしれません。またある人は、山の天気は30%だと不安で、知り合いに相談するかもしれません。

ここでのポイントは、降水確率という情報を元にしながらも、自分自身の経験や他の情報とを組み合わせて考えることです。

3.ファンドレジングでの情報を見る・考える

ここまでをファンドレジングでやってみたらどうなるでしょうか。

目的の設定

まず目的として、何のために情報を集めるのか。例えば「リピート率を高めたい」とします。

正しい情報を用意する

次に、データベースからリピート率に関する情報として「一昨年の寄付者」「昨年の寄付者」「今年の寄付者」の情報を正確に用意します。このときデータベースの情報が正しく管理されていることが前提条件になります。

情報を読み取る-比較して情報の意味づけを行う

そして、まず一昨年寄付して、昨年も寄付した人のリピート率を算出し、あわせて昨年寄付した人で今年も寄付した人のリピート率も算出します。この二つを比較して、高いか低いかを意味づけします。ここでは前者を40%、後者を30%とします。

そもそもの目的が「リピート率を高めたい」でしたが、さらに明確化して「”前年よりも”リピート率を高めたい」としたとき、残り10%以上のリピートを獲得することが、目的と現状とのギャップとして読み取れます。さらに読み取った時期が、年度の真ん中のタイミングで残り10%なのか、あと1か月で10%なのか、によっても意味付けが変わってきます。

情報から考える-これまでの経験や他の情報をもとに

仮にあと1か月で10%以上を達成する、ということであれば緊急度が高まります。考え方として、これまでの実施施策や今年の寄付者情報などを見返して、30%となっている背景を探ります。また『初回寄付して2回目寄付する人は一般的に30%前後』『2回目から3回目以降に寄付する人は70%前後』という海外の指標なども踏まえて、リピートの可能性が高い支援者のリストアップ方法を考えたりします。そのほかにもいろいろと考えられますが、実は天気予報の例でもわかるように、この「考える」内容は人によって大きく変わってきます。ただ、日ごとから情報を活用するマインドを持って仕事に向き合っていると、この「考える」質は劇的に上がります。

まとめ

こうしてみると、【情報を用意する】は日頃のデータベース管理が重要になりますし、【情報を読み取る】は抽出の技術や切り口のセンスなどが重要になります。そして【情報から考える】はファンドレジングの観点と情報活用の観点をおさえたスキルが重要になります。いずれも一朝一夕でできるものではなく、訓練が必要なものではないかと思います。

ちなみに、「決める」「行動する」「振り返る」を天気の例で表すと、

「決める」は、傘を持つかどうか

「行動する」は、傘を使うかどうか

「振り返る」は、傘を使う場面があったか、もしくは傘で雨をしのいでハイキングができたか(傘が大きすぎて邪魔になった、傘が壊れていたなど)

になるかなと思います。

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