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インパクトラボ

コロナのある社会で行うファンドレイジングのポイント

新型コロナウイルス感染拡大に備える「緊急事態宣言」が39県で解除され(2020/5/20時点)、「新しい生活様式」のもとで私たちはコロナのある社会を生きていくことになります。こうしたなかで、ファンドレイジングをどう進めるのか考えていこうと思います。

まずファンドレイジングでは、組織全体として『事業・組織・財源』のバランスを考慮した成長戦略が必要と言われています。なかでも財源は『会費寄付・助成委託収入・事業収入』に分けられ、それぞれの相乗効果を発揮する工夫が求められます(詳しくは「認定ファンドレイザー必修研修」で学べます)。

この「会費寄付」について、コロナのある社会でのポイントが何かを今回は見ていきます。

1.寄付会費の種類

会費寄付においては、実は金額とリピートという、この2点が財源に大きく影響を及ぼします。

まず金額について見ていきます。今回は会費寄付の種類を下記5つに分類しました。

  • 大口単発寄付(組織の定義にもよりますが、10万円以上を指すことが多い)
  • 小口単発寄付
  • 定額(会費・マンスリーサポーター(MS)など)
  • 非金銭寄付(物品寄付などの所謂「もったいない寄付」)
  • 法人寄付

大口寄付や法人寄付は、平均単価が極めて高くなり、組織のよっては50万円以上になることもあります。一方の小口寄付・MS・非金銭寄付は、平均単価は低く、1千円から1万円未満になることが多くあります。また、多くの組織では、大口寄付の数は少なく、小口やMSの数は多い傾向があります。

便宜的に、大口単発寄付と法人寄付を総じて「大口」と呼称し、小口単発寄付と定額(会費・MSなど)、非金銭寄付(物品などもったいない寄付)を総じて「小口」と称します。

この「大口」と「小口」の金額比から、財源上の特徴を見て取ることができます。

2.冒険の「大口」と安定の「小口」

「大口」と「小口」の会費寄付収益に占める金額の割合を比較します。

パターンA:「大口」の方が高い

「大口」の金額比が「小口」よりも高い場合(例えば、会費寄付総額が1億円のとき「大口」が6千万で「小口」が4千万だとすると、6:4で「大口」の方が高い)は、会期寄付収益は少数の寄付者に支えられていると言えます。仮に寄付者の人数が数人でも増えれば寄付収益は大きく伸びますが、その逆で人数が減った場合は減少幅が大きくなります。まさに『ハイリスク・ハイリターン』と言えます。

パターンB:「小口」の方が高い

一方の「小口」の金額比が高い場合は、多数の寄付者に支えられていると言え、寄付者の人数が百人位増えることで、寄付収益の増加が目に見えてきます。こちらは『ローリスク・ローリターン』と言うこともできます。

組織を健全に成長させていく上では、この二つの組み合わせをバランス良くとっていくことが大切です。大口:MS=6:4(ないしは4:6)ぐらいの幅で取れていたらベストです。

「大口」が高い組織は、事業領域に直結する出来事が起きたとき(例えば、昨今のコロナ禍では、医療衛生分野で活動している組織への寄付など)では寄付金額の伸びは強い、一方で事業領域に直結しない場合では寄付金額の伸びは弱くなります。

「小口」が高い組織は、人数を集め、維持するために多くのリソース(時間やお金)が必要になりますが、その峠を越えると安定期に収益を得られます。

自分たちの組織の「大口」「小口」の割合を見定めておくことで、外的な変化にも対応がしやすくなります。

3.リピートを高める

ファンドレイジングにおいても「新規」と「既存」という考えがあります。一般的には新規獲得には多くのコスト(時間とお金)がかかります。また、先の「大口」と似ており、事業領域に直結する出来事が起きたときには増える傾向にありますが、そうでない場合、特に社会が大きく変化する時には「新規」が増えることが難しくなります。一方の「既存」は、相対的に「新規」に比べて維持コストは低くなります。また社会が変化する最中においても、「新規」に比べて寄付頂ける可能性が高くあります。

これら特徴を踏まえて、先の「大口」「小口」に対して、「新規」と「既存」の軸を組み合わせた上で、いかに新規から既存、さらに既存のなかでもリピート回数をいかに増やしていくか、が重要になります。

特に昨今のコロナ禍、そして新しい生活様式が言われるなかでは、「新規」を得られる組織は決して多くはないことから、「既存」に焦点を当てることを最初に考えると良いかと思います。

4.「大口」と「小口」を見定め、リピートを増やす

会費寄付におては「大口」と「小口」の割合を見定めます。自分たちの組織の特徴を知ることで、これからの成長スピートも予想でき、また(外的な)変化にも対応しやすくなります。もし、どちらかに強く偏っていた場合は、意識的に時間をかけて整えていくことをお勧めします。

その上で、コロナのある社会、つまり変化が起こる時代となった今は、「既存」とした支援者の方々へリピート寄付を念頭においたコミュニケーションを行うことが大切になってきます。

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