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ホームページを見に来る人、どんな人か知っていますか?―アクセス解析の使い方(超入門)

マーケティングでは、消費者が商品を知ってから購入に至るまでの行動をモデル化した、購買行動モデルという考え方があります。 ということを、以前『 既存コミュニケーションツールを強化する見直しの5つのステップ』でご紹介しました。

インターネットが普及してきた1995年に発表され、今も使われている購買行動モデルが、下図2段めのAISAS。それまで主流だったAIDMAとの注目すべき違いは、購入・行動の前に「検索」が入ったことです。

インターネット普及以降、多くの人は、サービスや商品にお金を払うかどうかを決める前に、検索をするようになりました。言い換えれば、検索の結果によって、お金を払うかどうかが決まるということです。

Google等を使って検索した時の検索結果ページには、様々なサイトが表示されます。そもそも、このページで自団体のホームページが上位に表示されることもとても大切なのですが、今回は、ホームページの中の話をしたいと思います。

団体に関心を持ってくれた人が、支援や寄付をするかどうかの判断に重要な役を果たすホームページ。自団体のホームページを見に来る人がどんな人なのか。知っていますか?

アクセス解析ツールとは

ホームページが、どのくらい、どんな風に見られているかを知ることができるツールを「アクセス解析ツール」と呼びます。アクセス解析のツールは、有料・無料の様々なものがあり、それぞれに特徴があります。ここでは、無料ツールの中で一番有名で、恐らくソーシャルセクターで最も使われている「Google Analytics」の活用についてご紹介していきます。

※Google Analyticsをまだ導入していない、導入したい、という方
ホームページに「トラッキングコード」と呼ばれるGoogle Analyticsのタグを埋め込む(書き込む)だけで導入できます。 Google Analyticsのヘルプページをご参照いただくか、ホームページを制作された会社にご相談ください。

Google Analyticsでまず確認したい3つのポイント

1.ホームページに来ている人は、どんな属性か?

ホームページに来ている人(ユーザー)は、どんな人か。と言っても、名前や個人情報がわかるわけではありません。Google Analyticsでは、統計データとしてユーザーを知ることができます。ホームページの情報がユーザーの属性に合っているか、また見て欲しいユーザーのいる地域が明確な場合は、その地域で見てくれているユーザーがいるかを確認しましょう

ユーザーの属性を知る

Google Analyticsにログインすると、左側にメニュー(サイドメニュー)が表示されます。この中から、オーディエンス>ユーザー属性>概要、の順に選択していくとサイトに来ているユーザーの年齢と性別の内訳を見ることができます。

事例のサイトでは、年齢は20代後半~40代前半、性別は比較的男性が多いことがわかります。なお、ページ右上の日付をクリックすると、集計期間を選ぶことができます。事例では過去30日間で集計しています。

ユーザーのいる場所を知る

同じくオーディエンスの中で、地域>地域の順に選ぶと、ユーザーがいる場所を見ることができます。最初は国別で表示されますので、見たい国名をクリックすると都道府県別の表示に変わります。また、リストの上にある「市区町村」をクリックすると、より詳細に市区町村別の表示に変わります。

リストの中の「ユーザー」の列を見ると、どの地域にユーザーが多くいるのかがわかります。

2.ユーザーは、どんなルートでホームページに来ているか?

これらのユーザーは、あなたのホームページまでどうやってたどり着いたのでしょう。集客>概要から、そのルートがわかります。ここでは、主要な4つのルートを確認します。他にも、Email(メール経由)やPaid Search(有料検索経由)などのルートがあります。

  • Organic Search:自然検索=検索した結果ページ(広告以外)からの来訪
  • Direct:直接 URL を入力して、またはブックマーク経由の来訪
  • Social:ソーシャルメディア(SNS)からの来訪
  • Referral:外部のサイトを経由した来訪

検索キーワードを見る

それぞれのルート名をクリックすることでより詳細に見ることができます。例えば、Organic Searchをクリックすると、ユーザーがどんなキーワードで検索した結果、あなたのホームページにたどり着いたのかを見ることができます。

このキーワードの上位が、団体名や代表者名といった所謂「指名検索」ばかりの場合、団体や代表者を知っている(少なくとも聞いたことがある)ユーザーが来ている。逆に言えば、団体名や代表者を知らないユーザーはたどり着けていない可能性があるということになります。

ホームページに来ているユーザーの検索キーワードを見ることで、あなたの団体が支援することができる誰か(例えば、何かに困っている人)や、あなたの団体に寄付する可能性がある誰か(例えば、特定の分野の活動をしている団体に関心を持っている人)に、ちゃんと見つけてもらえているかを知ることができます。

3.ユーザは、どのページを見ているか?

サイドメニューの行動>サイトコンテンツ>すべてのページを見ると、ユーザーがどのページをより多く見ているかがわかります。見て欲しいページが見られているかをページビュー(表示回数)で確認すると同時に、平均ページ滞在時間も確認しましょう。

TOPページなど、他のページに誘導するためのページであれば滞在時間が短くても問題ありません。一方で、寄付のお願いページのような、しっかり読んで欲しい欲しいページの滞在時間が短すぎる場合は、読みやすい構成になっているか、確認してみると良いでしょう。

確認したいページがリスト上位にない場合は、リスト上の検索窓にURLの一部を入力することで見つけることができます。


どんな人が、どんなルートで、どのページを見に来ているかがわかると、次は、じゃあどうすればいいのか。ということになります。

どうればいいのかは「これさえやればOK」という万能薬がないので、いろんな方法をこれから少しずつご紹介していければと思いますが、基本は「ユーザーがどんな情報を探しているのか、今のホームページの情報で満足しているのか」をデータから予想して改善し続けるということになります。足りない情報があれば足す、すでにあるのに見つけられていなければ見つけやすくする。という感じです。

ホームページの活用をお考えの方は、まずは1年に何回かでもいいので、アクセス解析のデータを見て、ホームページを見直すルーティンを作っていただけると良いと思います。ページビューが増えた/減っただけではなく、自分たちが提供したい情報が、探している人にちゃんと届いているのかを見ていく。ユーザーを真ん中においたコミュニケーションをしていきたいですね。

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