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インパクトラボ

「支援者への挨拶から始めよう」2020年からぜひとも実施したい取り組み

日本は人口減少社会であるだけでなく、少子高齢化が極端に進行している社会であることはみんな認識している。その中では新しい商品やサービスは次々と生み出されていくが、成長が前提ではないため、弱肉強食の食うか食われるかではなく、共存共栄を図りながら、緩やかにシェアしあっていく傾向が強まっていく。全体のパイが減っていく中で、人口を取り合う移住定住には土台無理があることから第二次の地方創生戦略では「関係人口の拡大」がうたわれている。いわば人口をシェアする取り組みだ。

こうした中で、NPOなどの団体組織では、新規会員や支援者の獲得ばかりに注力しがちだが、むしろ、いままで応援していただいていた支援者にもう一度、目を向けてみよう。2020年の節目を迎え、あなたの団体組織で、簡単なことながら意外にみんなできていない、次の3つの点をお勧めしたい。

  1. 過去との比較だけでもまず行っていこう
  2. 支援者の声に目を向けよう
  3. できれば、いろんなコンタクト履歴を残そう

1. 過去との比較だけでもまず行っていこう

昨年、一年間で寄付などをしていただいた方々のリストはそれぞれの団体でつくられていることと思う。特にどれぐらいの単価金額が多いのか、価格レンジごとに分類する「ドナーレンジチャート」で全体傾向などを把握されているところも多い。しかしながら、昨年一年していただいた方々はその前の年はどうだっただろうか?

こうして気づいて、比較してみると、例えば過去3年間にご支援いただいたどうかを一覧表にして、チェックするだけでも、連続してご支援していただいている方ばかりではないことがわかるはずだ。並べてみていくと、不思議に数年ご支援いただいていたのに、一年ぐらい空きがあって、また繰り返していただける方もいたりする。ひょっとするそれは、単に寄付するのを忘れていたのかもしれない。もしその方の顔が浮かんで、理由もはっきりしているようだったらよいが、なぜかと途切れてしまっているところはないだろうか。

実は、いままで繋がりがない、新規の方に初めて寄付してもらうよりも、営業でいうところの「ロスト客」一度関係性をもったところに再度、支援をお願いすることのほうがはるかに取り組みしやすい。しかしながら、目はついつい新しい支援者を求めてしまう。

また、金額の集まり方も対比をするのは効果的だ。

年末は比較的、寄付が多く動くときであり、通常の時に比べて毎日、入金額がカウントできる団体組織もあるだろう。その際に、毎日の増減でみていると変化がつかみにくいので、例えば週単位などで比較すると、詳細が把握できるようになってくる。どの経路からの送客や支援が多いのかなどチャネルを確認することも、次の手立てを立てる際に有効となる。これらはやっているところにとっては「当たり前」のことながら、実際に取り組みできていないところがまだまだ多いように感じている。

2. 支援者の声に目を向けよう

支援者からの応援のメッセージはとてもありがたいので、多忙を極める中で拝読すると、本当に「心に響いて」涙が出そうになる。「有り難いなあ、よしもっと頑張ろう」と何度も感じられたことがあるのではないだろうか。しかし、その上で、支援者の声に耳を傾けたい。いい言葉は心の良薬だが、激しい言葉を投げかけてくる支援者の発言中に、さらに成長の種が隠されている。その姿勢をもって、改善できるところを常に取り入れていくことなのだ。

以前、ガソリンスタンド店員の話を伺ったことがあったが、お客様の男女比は圧倒的に男性客が多いという。しかしながら免許取得率などでみても男女比は半々であり、試しに定時観測調査をしてみるとやはり来店比率は男女半々であった。なぜ、そんな印象になってしまったかというと女性客はガソリンを入れる際に忙しいのでそれだけで立ち去るのに対して、男性客はクルマから降りて何かとほかの商品を見たり、クレームをつけたりと話しかけてくることが多いので、それで店員は「うちの店のお客様の大半は男性客」と思いこんでしまっているのだった。このように私たちは、声が大きい、何度も連絡してくる先があると大半がそういう風に感じていると錯覚しがちになる。

本当に怖いのは、何も言わないで消え去ってしまっていること。だからこそ、コメントに対して返信したり、やりとりを重ねていくことで、それ以外の方々に対しても活用可能なコミュニケーションのタネに役立てていくのだ。多くの苦言を頂戴していく中でいろんな対応策を取っていって、最後には「よくやってくれた」と言ってもらった時には、ゆるぎない信頼関係を再度獲得しているといえるだろう。

また次からはそうした経験をベースにして、そういたことに陥らないように気を付けて対応も先手先手に変わったりすることだろう。

3. できれば、いろんなコンタクト履歴を残そう

そして、できるかぎりそうしたやり取りを残していくことだ。担当者はこうした時代、流動化するものなので、ノウハウはシステム側に残して、担当者が代わってもどんなことがあったのかを後に続くものが把握できるようにしておくのが、おススメである。支援者は同じ人なので、いままでと同様に扱ってもらえると、安心して自分の居場所、ポジションだと感じるものである。最近ではデータベースでこれらを支援者との関係性構築に活用している。

以前だと、例えば接客業の人は個客ごとに大学ノートを用意して、来店された際に伺った話や家族構成・趣味・個人情報に関すること、そして話題として出た話の内容を書いておいた。次に訪れるという予約が入った際に、ノートをパラパラと開いて読んでおいて、来店された時には、前回の話の続きから始めたりする。来店されてから次にお見えになるまでの間、まったく忘れていても、お客様にとっては「しっかりとした扱いをしていだたける」という気持ちになるものだ。「寄付者と支援される側とが顔と顔が見える関係になる」というのはまさにこうしたことになる。いままでは人間系で、例えば事務局員の個人的な才覚で顔と名前と特徴と履歴を覚えていたが、これからはデジタルの力も借りて、それらを能動的に残していくことで、個人を通じて体験したことが組織を通じて経験したことに代わり、相手の意向をくみ取り、より一緒に課題解決を図る仲間としての「仲間感」を高めていくことにもなっていく。


ではいきなり、どうしたらよいのだろうか?

それは新しい2020の幕開けを迎えたのである。世界中が日本に注目するこの年に、挨拶するところから始めていけばよいのではないだろうか。あなたと、あなたの組織団体にとって、本年が飛躍の年となることを祈念して、この拙文をお届けしたい。

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