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ソーシャルセクターの管理職にとって大切な5つのこと

先日7月14日に、「ソーシャルセクターの管理職知っておくべき5つのこと」というテーマでオンラインセミナーを開催いたしました。

今回の記事では、簡単な内容とそこでいただいたご意見や感想を紹介し、当日参加いただいた方も参加ができなかった方にも、当日の学びとして改めてお伝えしたいと思います。

当日は、管理職にとって大切な行動という視点で、次の5つをお伝えいたしました。

  1. ストレス・マネジメント
  2. モチベーションを意識する
  3. ステップを大切にする
  4. ありがとうの循環をつくる
  5. 「任せる」

1. ストレス・マネジメント

ストレス・マネジメントはマネジメントの土台としてお伝えいたしました。通常の組織論でこれが最初にくることはなかなかないと思うのですが、営利企業とは異なった理念で集まり、その理念の実現が難しいものだからこそ、意識していただきたい部分です。

ストレスとなるものは無限に存在するので、「休む」マネジメントこそ重要です。自分のメンタル状態がマイナスに陥っていては行動へのパワーが不足しますので、状態がゼロベースになってこそ、初めて環境を改善・変革する土台ができます。ぜひ休むための行動を日々の中に取り入れていただきたいと思います。

また、ここで「繊細さん」という、HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる概念のご紹介も行いました。HSPは、自分の外にあるありとあらゆる刺激を感じ取り、それを味わいたいという傾向が強い人です。傷つきやすい側面もありますが、過度にその人に合わせるというよりは、その細やかな特性を、組織の中でうまく活用することができると思います。小さな変化をくみ取りたいときになど、繊細さんの力を借りることができるでしょう。

2. モチベーションを意識する

モチベーションは、そもそも外的動機付け内的動機付けと分かれており、これまでの経営組織論的にはそれぞれの動機づけを管理していこうというものが多くありました。最近では、モチベーション3.0という考え方があるとお伝えいたしました。「人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたいという動機づけがある」というもので、この部分は共感いただいた方が多かったようです。(ダニエル・ピンク. モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫). 講談社.)

また、組織やチームでモチベーションを意識するためには、「指示」と「支援」の軸が必要です。仕事上、タスクを進めるためにはどうしても指示をしなければなりませんが、この「指示」が苦手と仰る方も多かったです。「指示」を効果的に行うために、 ために、日常では「支援」の行動を多めに取り、最小限・最低限の「指示」でチームのタスクを進めていく、という行動も取り入れていけそうです。

3. ステップを大切にする

 3つ目は、ステップを大切にする、ということです。

管理職の仕事は、上部との調整、メンバーへの目標浸透という側面があります。目標を伝え、実行して結果を出すという中で、どうしても結果が達成できない場面が出てきます。その中では、小さな成果をしっかり組織やチームに伝えることが大切です。目標そのものが達成しなかったとしても、その過程で得られたものはあるはずです。例えば、「(今までは出来ていなかった)オンラインのイベントがスムーズに開催できるようになった」「イベントにより今までとは違う新しい層にリーチ出来た」というような事実です。人は出来ていることより出来ていないことに目がいきがちです。だからこそ、出来た事実に気づき、しっかり伝える行為が、チームや組織全体の承認につながります。

ステップを大切にしていくことを、意識していきたいものです。

4. ありがとうの循環を作る

これは個人的には最もお伝えしたかったことで、取り入れやすいものなのですが、さすがに参加されたみなさまとっては、このくらいは当然過ぎたかもしれません。それでも尚繰り返しますが、「ありがとう」と言われることは、言われた側には存在と行動の受容につながります。存在と行動の受容は、いわゆる心理的安全性の一歩目だと考えています。

「ありがとう」と伝える行為は、一人から始めてもいつの間にか広まる試しやすい行為ですので、ぜひ実行されることをおすすめいたします。

5. 「任せる」

個人的には難しい行為だと考えています。深堀りすると、個人が持つ恐れ(阻害行動)やバイアスにつながる部分で、最近のリーダーシップの講座はこういった点に焦点を当てるものが増えているように感じます。「任せる」ために最低限基本的なこととして、「伝わっていない可能性を考え」「全体説明と作業の細分化を行う」としました。また、相手に主体的に考えてもらうため、「あなたはどう思う?」という質問を投げかけるのが大切です。管理職としては、タスクを進めるためについつい相手が動かないことを、「できない」「主体性がない」と決めつけがちなのかもしれません。指示を受け取る側も人間で、多様な側面があります。自分とは違う考え・感じ方をしていて、「動けない」状態にあるのかもしれないと捉え、対話していくことが重要です。

当日はZoomを使用してのセミナーでしたので、途中ブレイクアウトルームで数人に分かれ、ケーススタディを使用して実際のマネジメント現場の様子を疑似体験し、各個人がどのように考えるかシェアしていただく時間を設けました。

この場でも、個人にはそもそものモチベーションとして世界を良くしたいという動機付けがあるのだから、そこを重視するマネジメントが必要だろうという意見が多く挙がりました。それぞれにマネジメントやモチベーションを考える時間になったと思われます。

同時に印象的だったのが、「横のつながりがあると良い」というもので、マネジメントの現場にいらっしゃる方々が、現場で感じられる悩みをシェアして、改善につなげていく場があることを望まれている状況も伺えました。

当日は、いくつかの文献の引用も挟みながらお伝えしましたので、より深く知りたい方向けの書籍のご紹介も行いました。組織論やリーダーシップ論は、新しい知見が多く、どのように学んでいくかという点で迷われてしまう方もいらっしゃるかもしれません。広く存在する知恵からソーシャルセクターで活用できる要所を切り出して、今後もご紹介できればと思います。

管理職は、営利企業非営利セクター関係なく、重要な役割であり且つ苦労も多いものです。同時に、チャレンジする余地も多いところですので、大切にして、チーム・組織、そして社会全体が前に進むための助力になればと願っております。

 長谷川 綾 Linkedin

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