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非営利組織が求める技術要素とエンジニア像

非営利組織やソーシャルセクターでエンジニアとして働きたい、寄与したいというとき、そこで求められる技術要素やエンジニア像とはどのようなものでしょうか。もちろん、組織によって求められるものの詳細は千差万別ではありますが、概ね共通するものもあると考えています。

非営利組織やソーシャルセクターでエンジニアとして働くことに興味のある人に参考になればと思います。

CRM/DB

非営利組織、ソーシャルセクターでも当然ながら日々の業務で様々なデータが生まれ、たまっていきます。これらの情報を効率的に保持、検索可能な状態にし、他業務やサービスに活用するためにはDB(データベース)の知識が欠かせません。Salesforce などのCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)も広義のDBに含まれます。

「非営利組織になぜCRM(顧客管理)が必要?」と思われるかもしれませんが、多くの非営利組織には多数の寄付者がおり、顧客を寄付者と読み替えてそのデータを管理するニーズは高いのです。このように活用されるCRMやその上で稼働するアプリケーションをDRM(Donor Relationship Management:寄付者管理システム)と呼ぶこともあります。

また、財団などの非営利組織を支援する組織では助成先の非営利組織の情報を管理するニーズも生まれます。こうした助成先管理システムもまた広義のDBであり、CRMが活用されるところでもあります。

Web

Webサイトを持たない組織はほぼありません。自分等の活動を広く周知するため、寄付をオンラインで受け付けるため、キャンペーンをうってランディングページにアクセスを集約するため、etc…。幅広い用途があり、欠かすことのできないツールです。

こうしたWebサイトを簡単、迅速に更新、メンテナンスするためにCMS(Contents Management System:コンテンツ管理システム)があります。CMSにはWordPress や Movable Typeなど様々なアプリケーションがあり、最適なアプケーションを選択する能力や必要に応じてセットアップ、カスタマイズ、メンテナンスする知識が求められます。

また、先述のDBと連携する仕組みも求められることが多々あります。オンライン寄付を受け付けたタイミングで自動的にDBにその情報を記録する、DBに保持されている情報からWebサイトのコンテンツを動的に生成する、etc…。こうしたことを実現するためにはHTTP/HTTPS、Webサーバの仕組みの理解も必要ですし、その上で、REST API等の知識も求められます。

決済

DBに寄付者とその決済情報を保持する場合など、何らかの決済がオンラインで発生する際には決済代行サービスとWebサイトやDBをつなぐ必要があります。決済代行サービスを選定する能力や決済代行サービスによって異なるシステムの接続方法にあわせてWebサイト、DBをカスタマイズする知識が求められます。

また、金銭に関係する箇所でもあるため、高い品質が求められます。丁寧なテストを設計、実施する能力も必要とされます。

セキュリティ

先述したDB、Web、決済などを活用し、様々な仕組みがオンライン化するに際して、利便性の向上と共に高いセキュリティを保持するニーズが高まります。セキュリティに関する正しい知識の習得と実システムへの適用が求められます。

構築したシステムにセキュリティ脆弱性がないかを確かめるテスト(ペネトレーションテスト)の技法にも習熟する必要があります。

オールラウンダーが求められがち

実際にはここで取り上げた技術要素意外にも様々な知識が必要になります。バージョン管理、アプリ開発、UI/UX、クラウド、開発手法やチームビルディング、AI、etc…。当然プログラミング言語も。

こうした広範な知識を一人でおさえるのはかなり大変です。そのため、チームを組んで対応にあたることもあります。しかし、よほど大きな組織でない限り実質一人〜数名でこうした業務にあたることが非営利組織やソーシャルセクターでは多いです。しかし、オールラウンダーは現実にはいません。そこで重要になるのが社外のエンジニアとの繋がりです。相談できる仲間がいるといないとでは業務の難易度やストレスがだいぶ違ってきます。

効率化を越えて組織のミッションにコミットする

エンジニアに多様な技術要素が求められることは一般の営利企業と変わりません。ただ、一つ大きな違いは非営利組織、ソーシャルセクターではシステムは効率化や省力化の実現や時に利益を生み出すことを越えて、組織のミッションに直接コミットすることが期待されることです。ミッションから求められる仕事を自ら定義して切り出すことが求められます。責任と裁量は大きく、志のある人にとっては魅力のある仕事でしょう。

まとめ

非営利組織、ソーシャルセクターが求める技術要素とエンジニア像について簡単にみてきました。そもそもエンジニアの需要があること自体あまり一般に認知されていないように感じていますが、活躍の場はとても多いです。一人でも多くの志を持ったエンジニアが参入するきっかけになればと思います。

 進地 崇裕 Linkedin

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