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NPO団体の決済サービスの選び方 ―決済手数料だけで選んでいませんか?

寄付を受け付けるに当たって、多くの決済方法に対応していることがファンドレイジングの基本です。クレジットカードでの寄付に対応している団体は、今は一般的になってきました。この記事では決済をシステムで対応していくことも見合わせ、決済サービスの選び方、および決済システムの選び方・システム開発の判断のポイントをお伝えいたします。

まず対応する決済方法を決める

クレジットカード、銀行自動引落、銀行振込み、コンビニ払いなど、支援者の方がご寄付を行うときの決済方法を決めます。

決済代行会社・電子決済サービスを検討する

決済代行会社とは、ロボットペイメント、GMOなど、決済を代行する会社です。SMBCの決済ステーションや三菱UFJ銀行のワイドネットなど、銀行がサービスとして行っているものもあります。

NPO団体が選択するときは、対応している決済方法が多彩であることはもちろんですが、「継続課金」に対応していることは必須です。マンスリーの会員制度が今は整備されていなくても、ファンドレイジング拡大のためには最初に導入を検討した方が良く、決済方法の制限でマンスリー制度が導入できない、などということがないように、継続課金の可否は必ず確認しましょう。

マイナーな決済代行会社のサービスやあるいは契約内容によっては、そもそも「寄付」取引が不可の場合もありますので、この点も漏れなくご確認を。

パッケージされた決済システムが使えるか検討

決済代行会社が多様すぎて混乱してしまう場合、パッケージ化された決済システムの導入もおすすめです。決済方法と決済代行会社にプラスして支援者管理システムまでをまるっと組み合わされたサービスです。システムによってはWebフォームがセットになっているものもあります。

具体的には、GOEN、コングラント、寄付フォームなどのシステムがあります。

支援者管理システムと紐づいてきますので、現状の支援者管理の在り方、または将来的にどうしたいのかを念頭において、選ぶと良いでしょう。安価で非常に簡易に導入可能なことが、大きなメリットです。

色々やりたいので、今後の拡張性のために独自に決済システムを開発しよう!

独自業務が多かったり、今後色々なシステムと連携するなど拡張を考えたい場合は、独自開発を検討しても良いでしょう。

大きく分けて3種類の方法があります。

1)独自に開発

決済代行会社のシステムと自団体の支援者管理システム(例えばSalesforceなど)をつなぎ、独自で開発する方法です。決済代行会社はほとんどの会社ではオンライン上で決済するシステムをもっており、外部システムと連携するツール(API)を準備しています。APIを使ってシステム同士をつなぐ方法も確立しており、システム開発ベンダーが決済代行会社に聞けば教えてくれます。

システム開発ベンダーと協力して、決済代行会社と自団体システムをつなぐシステムを構築することは可能です。独自で仕様を決められるため拡張性が高く、大規模な団体または独自業務が多い団体には、日々の業務効率化につながり向いています。但し開発規模は大きくなり自団体で保守が必要になるため、開発初期費用と保守費用がかかってきます。

2)データ連携ソリューションを使って開発

Salesforceなどインターネット上のシステムのデータ連携を行うための、独自のソリューションも存在します。そのようなソリューションを使用すると、独自に決済代行会社へ仕様を確認して自団体システムとの連携方法を詳細に確認する必要なく、シームレスなデータ連携を行うシステムを構築することが可能です。

一方で、データ連携ソリューションとは大規模システム同士のデータ連動を行うために作られた場合が多いため、団体にとってはオーバースペックで高額になることもあります。それでも、Salesforceなどをすでに独自に使われている場合や、データ量が大量の場合は、この方法が簡易に安全性を担保でき、向いていることがあります。

3)連携はCSVデータなど手作業で行う

Salesforceなどの支援者管理システムを導入している場合は、そのシステムからCSVデータをダウンロードし、決済代行会社のシステムへアップロードを手動で行う方法もあります。

決済代行会社システムへアップロードするためのデータフォーマットは公開されていますので、その通りにデータを作成するプログラムを開発します。1)や2)と比べると安価に開発可能ですが、毎月決済方法ごとにデータを作成してアップロードする(場合によっては入金時にインポートする)手間が発生しますので、業務に組み込む必要があります。

判断のポイント

以上の方法から自団体に合った方法を決定するためは、次の3つのポイントがあります。

1)コスト

決済手数料だけでなく、決済代行会社システム・決済サービス・連携ソリューションの利用料も確認しましょう。開発の場合、初期開発費だけでなくシステム保守費も見込み、使う期間で費用を考えることが重要です。

2)使用感

決済代行会社のシステム・決済システムのインターフェース、手作業の煩雑さも考慮しましょう。

3)長期目線での拡張性

将来的に新しい活動を行うことになった場合対応しやすいのか、などを見据えましょう。


決済システムやシステム開発会社を決める前に、ぜひこれらのポイントを団体内で抑えましょう。

決済システムは一度導入すると、データを移行することがとても困難なため、選ぶにあたってとても慎重に行う必要があります。

一方で、世の中の動向としてはキャッシュレス決済がますます進んでいき、今後新しいサービスが生まれてくる可能性も高いものです。最新のサービスと、自団体のやりたいことをすり合わせながら決定を進めていくと良いでしょう。

※2020年12月時点の記事です。

 長谷川 綾 Linkedin

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