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IMPACT LAB

インパクトラボ

PSMからモチベーションにつながる行動を考える

たまに、「モチベーションが高い」と感じる人の行動に出会うことがあります。ボランティア活動は全般的に「モチベーションが高い」行動に当てはまり、この新型コロナに対応する活動の中でも様々な行動が見られました。個人的に大いに感心したひとつが、東京都が実施した「新型コロナウイルス感染症対策サイト( https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)」の開発です。

プログラミング技術を持つ人が、GitHubというオープンソースのバージョン管理システムを使って、アカウント名で開発に参加しています。東京都の委託を受けて一般社団法人Code for Japanにより開発が始まったのですが、GitHubを使って多くのボランティアプログラマーやデザイナーが無償で参加し、サイト修正を行い続けています。

この専門知識を持ち合わせる人たちが、報酬ももらえず自分の名前が広まるわけでもないのに時間と知識を使い、社会に貢献するという想いで参加していることについて、私は「モチベーションが高い」と強く感じました。
(ちなみに当社のスタッフのひとりも一時期こちらに参加したそうで、非常に感心しました)

PSM(※1)では、4つの指標を元にPSMが高いことを測定し、これを満たしている場合にパフォーマンスが高いことを測定しますが、上記のような行動も、この中に当てはまっていくのかもしれません。

<PSMの4つの指標>

  1. 政策形成への関心
  2. 公益への関与
  3. 思いやり
  4. 自己犠牲

※1 「Public Service Motivation(PSM)」
公務員や非営利セクターで働く従業員の目標と組織の存在意義を効果的に取り組むための理論
詳細は「Public Service Motivation(PSM)とは

PSMは、文化の差もありますが、アメリカの調査では統計的には有意とされ、またアメリカ以外でも展開されている理論です。主には公務員や非営利セクターで働く人の「性質」を類型化し、類型に合わせて組織開発や職務分掌、リーダーシップなどに反映するための理論となっています。

ただ一方で、モチベーション・内発的動機を高めるための「具体的な行動」を考える場面では、PSMの分類だけでは不充分にも感じます。高いモチベーションで活動し、パフォーマンスを上げていくためにも、人の性質に依存するのではなく、それぞれの個人が自発的に行動するための源泉を考えたいものです。どうすれば、その人のモチベーションになっている行動や源泉を知ることができるのでしょうか。

PSMが高いとされている非営利組織で働く人たちにとって、毎日の業務、受益者への価値の提供、支援者とのコミュニケーション、その中のそれぞれの行動に、個々の人にとってのモチベーションの源泉がありそうだと私は予想しています。

例えば「幸福学×サービスサイエンス」を研究している知り合いが、このようなフレームワークを作っています。

(※倉増京平氏の発表資料を元に著者が作成した簡略バージョン)

企業がサービス提供を行うプロセスとその場面で提供している価値を分解し、それぞれの場面においてどのようなポジティブ体験・ネガティブ体験が発生しているかを分析しています。そして幸福学に基づいて、ポジティブ体験の気持ちが「長続きするか」という視点で類型化し、共通項を探すためのフレームワークです。このフレームワークが、非営利組織のモチベーションを生むプロセスを探すためにも、使えるのではないかと考えています。

これから、このフレームワークを使って、非営利組織の活動を探求していく予定です。

非営利組織が継続的に活動を行うためにも、そこで働く人が「モチベーション高く」あり続けることが必要です。モチベーションをPSMの4指標に分類化するだけではなく、それぞれの人に合ったアクションを考えたり、行動の癖を自覚することで、モチベーションが下がったと自覚した際にうまく対処できるようになるのではないかと考えています。それを見つけるために、上図のように業務とそれぞれのプロセスでどんな気持ちが動いているのかを見える化してみたいと考えています。このフレームワーク作成を通じて、見えてくるものがあるかもしれません。

もしも、このフレームワークに興味持ち、この業務プロセスと気持ちの動きを作るサンプルになってもいいよ、という団体さんがいらっしゃいましたら、ぜひともご連絡ください。

 長谷川 綾 Linkedin

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