ENGLISH

NEWS

お知らせ

【SIDN】イベントレポート:Social Impact Day & Night 2015

2015年4月24日、社会的インパクト評価を仕組み化するクラウドサービス「newdea(ニューディア)」の国内キックオフイベント「Social Impact Day & Night 2015」を開催しました。

Social Impact Day 2015

午前中に開催されたSocial Impact Dayは、「社会的インパクト評価の重要性とnewdeaの可能性について」 がテーマのシンポジウム。

「なぜ、今newdeaなのか」。
newdeaの日本語版リリースを決めるに至った背景を語る、当社代表取締役、鵜尾雅隆の開会挨拶から始まりました。

“日本のソーシャルセクターが本当に支持されるものになるためには、 そろそろホンキで自分たちの活動の成果やインパクトを社会に説明しないといけないステージにきている”

newdeaを通じて世界で起こしてきた変化、起こしていきたい変化

続いて、newdeaの開発元である米国Newdea社CEO、Troy Stremler氏より、newdea開発の経緯やnewdeaの可能性に対する想い、日本のユーザへの期待などを語っていただきました。
Stremler氏は、支援者、非営利団体、財団、政府関連機関との業務において20年以上の経験を持ち、社会的インパクトに基づく社会貢献活動をけん引するというnewdea社のミッション実現に向けて欧米、アジア、アフリカなどの国々を奔走する、世界を代表する社会起業家です。

かつてある助成団体の担当者から、“10のプログラムに助成金を出すと、10のプログラムから「成功しました」という報告書が上がってくる”という話を聞いたStremler氏は、担当者に”その報告を信じているのか?”と尋ねました。ソーシャルセクターが実施するプログラムの多くは、予算、人材、前例などが不足している、しかし実施する必要がある「チャレンジ」です。10のチャレンジが10成功するというのは、奇跡的な確率であるはずです。にもかかわらず、毎回100%の確率で「成功報告」が上がってくるのは、「失敗報告」を上げれば、次の助成金をもらえなくなるからです。

“信用もしていない成功報告を出させ、正直に失敗報告を出したら次からはチャンスを与えない。 それが今の仕組みなら、その仕組み自体壊れている。”

この壊れた仕組みを変えなければ、世界を本当に変えることはできないと思ったと、Stremler氏は語ります。
成果を最大化するために計画をし、実施していくのはもちろんですが、
・実施の過程でうまくいない時に、外部からの評価や改善提案を活用して、いかにその状況を改善するか
・最終的に成果をあげられなかった時に、その原因を分析して、次のチャレンジでいかにその上に積上げて成果を出せるか
こそが、“本気で社会を変える”ソーシャルセクターにとって重要なのだと強調しました。

newdea日本語版の機能紹介

株式会社ファンドレックスnewdea Japan統括ディレクターの平尾からは、newdeaの画面と機能の説明がありました。機能の特長として、次の5つが紹介されました。

  • ロジックモデルに基づくプロジェクト管理
  • 社会的インパクト評価につながるKPI管理
  • 成果評価と改善提案のモニタリング
  • プロジェクト別予算管理と積み上げ集計
  • 1クリックで自動生成できるインパクトレポート

パネルディスカッション

シンポジウムの後半では、鵜尾のファシリテーションによるパネルディスカッションを行いました。
登壇は、次の5名。それぞれの立場から、newdeaに期待する事を語っていただきました。

  • newdea社CEO Troy Stremler氏
  • 明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授、日本評価学会副会長 源由理子氏
  • あいちコミュニティ財団 代表理事 木村真樹氏
  • エイズ孤児支援NGO・PLAS(プラス) 代表理事 門田瑠衣子氏
  • 株式会社ファンドレックス newdea Japan統括ディレクター 平尾千絵

源氏からは、評価とは、結果だけを見て「◯✕」をつける様なものではなく、プロセスを見て、生まれている価値を評じ合うものであるべきだと言うお話をいただきました。

” newdeaを使ってプロセスが可視化されることで、色んな人が口を出したくなる。 それは様々なステークホルダーを巻き込み、これまでネガティブに捉えられがちだった「評価」を、 組織やステークホルダーをエンパワメントするものへと変えることにもつながるのではないか”

「地域のお金の流れをデザインする」仕事をされている木村氏は、ソーシャルセクターが取り組むチャレンジの成果とは、「数字」だけで計れるものだろうか。という疑問を持っていたと言います。newdeaは、設定したインジケータ(成果指標)に対する達成状況を追っていくという「数字」の管理だけでなく、写真や活動レポートなどの「ストーリー」もプロセスとして管理・共有することができます。

“本当の成果を見るためには、「数字」と「ストーリー」の両方を見る必要があると思う。「ストーリー」があるから、「数字」の意味を知ることができる。”

NGO・PLASの門田氏には、ロジックモデルやインジケータを「クラウド化」できることへの可能性について語っていただきました。同じくクラウドサービスであるSalesforceを駆使し、2014年にはSalesforce活用自慢大会で全国2位を獲得した団体ならではの視点です。

“国際機関も使うプラットフォームを、小規模な団体も同じように使えることがクラウドの魅力。 プロジェクト管理そのものをクラウド化することで、関係者全員が常に最新のロジックモデルを意識しながら活動に取り組めるようになる”

これらの話を受けてStremler氏は、newdeaを使うことで日本の寄付者にも「社会的インパクト」という長期的な成果を意識するようになって欲しい。また、日本のユーザには「こんな使い方はできないか」「こんな機能を追加して欲しい」といったリアルなフィードバックをあげて欲しいと期待を語りました。

”世界中のユーザと一緒に、newdeaを本当に世界を変えるプラットフォームに進化させていきたい“

Social Impact Night 2015

夕方からは、newdeaの国内キックオフを祝うパーティー「Social Impact Night」を開催しました。
各方面から、社会的インパクト評価に関心のある方々にご参加いただきました。
会場では、newdeaのデモ画面を見ながら質問する姿も多く見られ、改めて関心の高さが伺われました。
最後は全員で記念撮影。


関連サイト