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ミッションバランス―PSM理論から、自分の価値観と毎日のご機嫌を考える

モチベーションについて

私自身は「モチベーション」を重視する考え方であるため、自分の気分や機嫌を良い状態に維持することを大切にしています。モチベーションとは、いわゆる「内発的動機」ですが、例えば働き方改革で有名なサイボウズ社では、「やりたいこと・できること・やるべきこと」の3点セットで定義しています。毎日の仕事なので、「やるべきこと」がそれなりにあるのは当然です。地味な作業も多いです。どうしても紙でやってくるデータの手作業入力、大量の郵便発送作業、複数のシステム間のデータ更新作業、そんな作業が多いのではないでしょうか。毎日やりたいことだけで、仕事は構成されません。それほど楽しくない「やるべきこと」は存在するわけですが、その際にどのような心持ちでいれば良いのでしょうか。

PSM理論の「ミッションバランス」

PSM理論では、重要なことは、既にご紹介した4指標に基づく「やりがい」要素と、「ミッションバランス」という組織のミッションと従業員の認識との結びつき、それと変革的リーダーシップとされています。

「ミッションバランス」とは1999年にRaineyとSteinbauerによって策定された概念で、組織のミッションを、チームメンバーそれぞれの価値と特性にリンクさせることで、チームメンバーが組織内で自分の目標を維持し、満足度を高めるものです。最終的には、組織のミッションの成功に組織のメンバーがコミットするにつれて、PSMの潜在的な効果を高めることができるのです。PSMの要素が高い人は利他的な貢献意欲が高いため、組織と個人の目標をリンクさせることで、より組織の成果達成の効果が高まるとされています。

ご機嫌の好循環を生み出す

毎日の作業の中で、自分の気分が上がらないとき、組織の目的・社会貢献としての意義などミッションについて、改めて確認してみると良いかもしれません。そして自分の実現したい価値観・世界観につながっていると意識すると、 日々の地味な作業や嫌な出来事に対しても、ちょっとだけ前向きに取り組めるかもしれません。自分の価値観や、「やりたいこと」が言語化出来ない場合は、「できること」と「やるべきこと」を行ったり来たりすると見えてくると、先に挙げたサイボウズ社では言われています。(参考:サイボウズチームワーク総研 https://teamwork.cybozu.co.jp/blog/motivation-creation-method.html「モチベーション創造メソッドとは?――「やる気」のセルフコントロール」)毎日の作業を行う中で、他の人から「ありがとう」と言われたことをより意識して「できること」を増やしていく、且つ「自分が実現したいことは何だろう」と意識しながら仕事をすると見えてくるものがあるでしょう。

私個人のこだわりとしては、組織のミッションも自分の価値観も、自分やメンバーがどんな感情になるか実感できるような言葉で語り、対話していくことも大切なのではないかと思います。ミッション・価値観を意識することで、まず自分が明るい気持ちになり、それがチームの雰囲気にも影響を与え、好循環が生まれることを目指したいです。

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