コミュニケーション
ヒント1「周囲(地域)のムードをかえる」:孤独なfrrへ贈る羅針盤~FR成功の(発想の着眼点)ヒント
みなさんいつもご覧いただきありがとうございます。今月から新シリーズとして、現場で頑張るファンドレイザー(frr)の方々へ実践的な経験からの元気が出る言葉を贈っていきたいと思います。
記念すべき第1回のヒントは「周囲(地域)のムードをかえる」です。
それでは始めて参りましょう。
戦略だけでは動かないことがある
ファンドレイジングを進めていく上で、戦略は欠かせません。過去にどんな取り組みが受け入れられていて、どんなゾーンの支援者が応援しているのか、どんな支援メニューがあるのか、などを調べて、着目点を明らかにして、進むべき方向性を定め、足りない資源を投入したり、人財を養成したり、準備を整えていよいよスタートを切るのですが、それだけでは支援者の拡大が進まないことがあります。
ある地域で、新施設実現のための「キャピタルキャンペーン」に関わった時のことです。施設ができて、目玉となる展示品があると、地域にとっても新しいランドマーク、新しいシンボルができて、地域にとっての宝が生まれる、素晴らしい取り組みであったのですが、ちょうどこれから戦略を実施展開しようとしていた矢先に、反対運動が起こったのでした。
しかも地域の事情を紹介するローカル番組で、これまでの経過と住民の声を紹介することもわかりました。メディアでの取材がきっかけにいろんなことに目が向いて、いらない労力をとられることも考えられます。
地域の中で、事前に支援者インタビューなどを重ねて、戦略に反映してきたのでしたが、そこまでに及ぶとは正直、思っても見ませんでした。水面下で計画に対して快く思ってない方々がいらっしゃるのでした。
ノイジーマイノリティ
反対の人びとというのは、数は割合としてそんなに多くはないのですが、声が大きいので、あちこちでそんなことを言っている人がいるように感じてしまいます。こうした一種の発信力があって、しかしながら少数派の人びとのことを「ノイジーマイノリティ」と呼んでいます。
最近の事例では、相手へ営業妨害として裁判で訴えられても、炎上商法というのか、 敗訴となって罰金が確定してもネット上での支援のお金が集まり、結果的に罰金よりも集まるお金が多くなり、またそうした事例を求めてわざわざ火をつけに行く事例まででてきています。これらに対応するためには、実は少数派の人に対して、大多数のこれまであまり声を挙げてこなかったどちらかといえば賛成寄りの中間派の人びとの声を挙げてもらうことだと思っています。
よくいわれる2:6:2の法則で、何を取り組むにしても、賛成派が2割、反対派が2割、中間層が6割と分類される場合に、積極賛成に引き寄せられるか、もう一方に引き寄せられるかで、全体の流れが代わっていくのです。選挙などでもそうかもしれませんが、世論という全体の空気がそちらのほうへ流れていくのも、実はこうした動きではないかと思っています。
大多数を占める、しかしながら声を挙げない中間層のことを「サイレントマジョリティ」とも言っています。
周囲のムードを変える
こうしたプロジェクトでは、単純にお金の金額が集まればよいというわけではなく、 地域や周囲のムードを変えていく必要があります。「サイレントマジョリティ」は、声を挙げない(サイレント)のですが、その声を顕在化させていくためにアイデアを絞っていきます。
こうした場合には、共感を拡大するための広報ツールやスタッフの資質向上も大切なのですが、事例に学んで、あちこちで声が上がっているように感じられるようにしていく必要があります。どうしたら新施設を自分たちとして活用出来るかといった「アイデアコンテスト」を募集してみたり、地域の方々に協力してもらえないかと考えて 「アイデア会議」を開いたり、以前の取り組みを紹介する広報誌やポスターがたくさん残っているのを一掃して、新しい取り組みのポスターにかえたいと自分たちで張り替えた履歴が残せるようにみんなで「マイマップ」へ記入していったり、と動きと声が上がる仕組みを考えてみました。そうしていくうちに、主体的に新施設が地域にできるとどんな変化が生まれていくのかを考える人が増えてきて、自分事にする人が多くなると、だんだん地域の中で肯定的な声を挙げていく人が徐々に多くなっていきました。
お金を集めるプロジェクトの中身はよく考えますが、視野を広く持つことでいかにせまく範囲でみていたか、逆の視座をもって眺め直してみたりも可能です。
いかがでしたでしょうか?また皆さんからの反響もいかしていければと思います。
次回のテーマは「2.過去に学ぶが.前列にとらわれすぎるな 」です。どうぞお楽しみに。
本稿で取り上げたい「ご質問」「ご相談」がございましたら、ぜひお聞かせください。
▷ ヒント1「周囲(地域)のムードをかえる」
▷ ヒント2「過去に学ぶが、前例にとらわれすぎるな」
▷ ヒント3「ぶれない、長年やってきて支持されてきたことを信じる」